Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

日本への短期留学生が増加、長期留学は?

high190です。
この間、現在は教務担当で去年まで入試担当だった方と一緒にお昼を食べたんですが、「今年はどうやら留学生の出願が減っているみたいだな〜」というお話を聞きました。確かに教務で担当している入学手続き関係の書類を見ても留学生で入学手続きをしている人は結構少ないんです。(私は学生担当ですが、勉強のため?ということもあり、入学手続き関係の仕事もお手伝いしています)個人的には、「さては、受験生にとって魅力がないと映っているのか!?」なんて心配をしたんですが、それ以外にも理由があるみたいです。

日本の大学などに在籍する外国人留学生数のうち、1年以内の短期留学生(5月1日現在)は過去最高の8368人(前年比12.7%増)を記録したことが14日、日本学生支援機構の調査でわかった。総数は2年ぶりに増加に転じ、11万8498人(同0.5%増)。中国の留学生が減った半面、韓国からは増加した。
調査はすべての大学、短大、高等専門学校専修学校を対象に実施した。留学生総数は2005年度の12万1812人に次ぐ2番目の水準。このうち国費留学生数は1万20人で、初めて1万人の大台に乗った。
出身国・地域別にみると、最も多い中国は7万1277人。前年に比べ4.1%減った。次いで韓国が1万7274人で、前年比8.1%増だった。

日本文化の体験などを目的とした1年以内の短期留学生が今年度急増し、過去最高になったことが14日、日本学生支援機構の調査でわかった。一方で、外国人留学生全体の数は、中国からの留学生の減少が響き、微増にとどまった。
調査によると、短期留学生は8368人と、06年度より945人(12.7%)増えた。アニメやゲームなどを含んだ日本文化を体験したり、日本語を勉強したりするために、おおむね1年以内の期間で大学や専門学校に留学してきているという。もっとも多いのは中国からの留学生で、06年度より330人増えて2070人と全体の24.7%を占める。
一方、留学生全体では、06年度よりわずか571人(0.5%)増の11万8498人にとどまった。もっとも多いのは中国からの留学生で7万1277人と、60.2%を占める。しかし、06年度よりも3015人(4.1%)減った。一方で、韓国、台湾、ベトナムなどからの留学生が8%から22%増えた。
中国からの留学生の減少について、文部科学省留学生交流室は「不法滞在などが多い中国人にかんする入国管理が厳しくなっているのと同時に、中国で4年制大学の整備が進み、日本の大学の学部への留学が減ったことも影響している」とみている。

なるほど、短期留学生の比率が増えているんですね。確かに最近、入国管理局の審査が厳しくなったと留学生担当の職員からも話を聞いていましたし、中国で4年制大学が整備されてきているというのも大きいでしょう。ただ、留学生全体ではほぼ横ばいのようです。

[過去記事]
アジア留学生増へ戦略会議案 大学連携で単位取りやすく(2007/04/18)

前内閣で開催されていた「アジア・ゲートウェイ戦略会議」では、留学生の大幅な受け入れ増や積極的な大学間提携を行っていくという議論が行われていました。しかし、内閣が変わってからあまりアジア・ゲートウェイという言葉自体聞かなくなってしまいましたね。個人的には大学の国際化に大きな影響力があるのでは、と思っていただけにより深まった議論が行われて欲しいところです。

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