Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

業務改善にRPAを活用している大学のリストを作成しました。

※更新情報 大阪大学を追加(2020/12/17)

high190です。
大学での業務改善のあり方は自分なりに色々考えて実践してきましたが、自分の職場に導入できないかと思っているのがRPA(Robotic Process Automation)です。2018年の東北大学開催セミナーにも参加して情報収集して基礎的なことを勉強していました。

high190.hatenablog.com

業務改善にRPAを活用している大学がどの程度あるかリスト化しました。導入範囲は小規模・大規模問わず導入例があればリストに追加し、新着情報があれば随時追加します。

以上、導入事例を見てきました。
私が一番興味を惹かれたのは、帝京大学が学校法人基礎調査の入力作業にRPAを活用している点です。学校法人基礎調査とは日本私立学校振興・共済事業団による調査で、日本私立学校振興・共済事業団法第23条第1項第5号が根拠です。*18私立大学等経常費補助金を受けるためには必ず回答しなければならない調査ですので、私立大学関係者にはお馴染みだと思います。必ずやらなければならない業務の効率化は、そのために要する人員・時間コストの削減に繋がり、大学経営上大きなメリットがあります。給与・会計等の管理系業務を中心にRPAが活用されていると感じていたので、この取組みは新鮮な驚きでした。
また、2020/09/04に追記したサイバー大学の事例では、学生履修分析業務の効率化にRPAを活用しています。このように徐々に教学業務等にも活用の幅が拡がってきています。

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その他、国立大学で導入が進んでいると思います。運営費交付金の削減、効率的運営を国から要請されている事が一因と思いますし、私立大学と比較すると規模の大きいところが多いので、改善余地もその分あると推察します。また、医療系・大学病院での活用はもはや当たり前になりつつあります。RPA導入のメリットを見てきましたが、大学における業務改善の最終目的は何でしょうか。それは学生の成功(Student Success)を最大化する事です。そのため、業務改善が目的化するのではなく、業務全体を俯瞰して可視化と改善に繋げる事、何より学生の教育に充てる時間をどう捻出するか、捻出した時間を活用して教育の質をどう向上させたいかをセットで考える事が成功の鍵を握っているのではないでしょうか。

【参考になりそうな資料】

rpalab.educe-ac.com

*1:業務フローの改善については、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)説明会を主催し、事務部の参加を得た。また、業務改善を目的とする事務部の若手WGに対して支援した。

*2:ニュースリリース大阪大学 働き方改革の挑戦 NTTデータ関西と協力しRPAソリューションの実証実験を開始~文教分野へのデジタルレイバー導入の実行可能性を検証~https://www.nttdata-kansai.co.jp/news/details_00137.aspx

*3:予算の早期執行に向けた取組として、私金立替払いの運用厳格化を実施したほか、旅費業務における省力化を図るため、RPA(Robotic Process Automation)による財務会計システムへの入力作業及び帳票出力について試行的に一部導入した。

*4:国大協「平成30年度国立大学法人等担当理事連絡会議【IT活用による大学業務の高度化】」を開催(10/4)https://www.janu.jp/news/whatsnew/20181004-wnew-tantouriji.html

*5:業務効率化を図るため,RPA(ロボットによる業務自動化の取組)について,導入に関する先進事例調査(3大学)等により情報収集を行うとともに,平成30年12月に無償トライアルを実施し,効果を検証のうえ,平成31年度に導入

*6:国立大学法人長崎大学がRPAテクノロジーズ「BizRobo!」を本格導入開始 ~「BizRobo!」を活用し、大学及び病院の働き方改革の実現へ~ https://ascii.jp/elem/000/004/017/4017278/

*7:効率的な事務業務の遂行に向けて、消耗品購入情報を会計システムへ入力する業務、WEB賃金システムへ従事者の作業内容や住所等の内容を入力する業務にPC業務自動化ソフトウェアロボットである RPA(Robotic Process Automation)を適用し、適用前と比較して年間約180時間の業務時間を削減できた。また、RPA適用提案のあった業務のヒアリングにより年間2,000時間程度の削減効果見込みがある業務を確認できたため、引き続きRPAの適用を拡大することとした。

*8:平成 28 年度に各部局等の副課長級職員を構成員とする「職種と業務の明確化検討会」(平成28年11月~平成29年3月)を設置し、業務分析表の作成を通じた全学的な業務の棚卸し及び業務マッピングの作成を通じて、各業務に求められる判断・専門性の度合いの可視化を実施した。平成30年度には「総務系業務の効率化検討WG」を置き、この業務マッピングを分析して、業務をコア業務と非コア業務に分類し、各部局に共通的な非コア業務について次の業務改善提案を行うとともに、現行の業務マッピングの問題点についても指摘した。□会議事務の非コア業務化による効率化□RPA(Robotic Process Automation)による業務自動化の組織的な導入□各種申請のWeb化による業務改善

*9:業務量の軽減を図るため,他大学でのロボティック・プロセス・オートメーション(RPA:Robotic Process Automation)の活用事例について,適用する業務の範囲を踏まえた情報収集を行い,導入の可否について検討を進める。

*10:業務の負担軽減と効率化のため、外部委託の推進や RPA(ロボティックプロセスオートメーション)などの導入可能性についての調査・検討行うほか、業務量平準化のため、職員配置の見直しを行う。

*11:電子購買システム導入検討(カタログ販売サイトの購買電子データの利活用と既存管財システムでのRPA活用によるデータ入力作業の省力化とマスター登録の検討)、RPAや人工知能(AI)を駆使した仕事の変容に備え、今後新たに職員が学ぶべき知識やスキルの内容を併せて検討する。

*12:●RPA(Robotic Process Automation)による学生履修分析業務の効率化 <進捗状況>・Cloud Campus から取得される学修データを活用し、科目内の受講進捗状況を自動集計し、受講が遅れている学生や小テスト等の点数が良くない学生を簡単な操作で抽出したり、単位修得状況や成績分布などを表示したりできるような「受講状況管理ファイル」を作成し、TA 全員が担当科目の学習支援に利用できるようにしている。・また、成績情報を集計するプログラムを使って、「GPA が 2 期連続で 1.5 未満の学生」や「修得単位数が規程に定める基準を下回る学生」を抽出し、学期末の履修指導を行っている。・その他、卒業研究のエントリー相談時にも履修すべき科目を受講できているかどうか確認するための自動チェックツールを作成するなど、学修支援として様々な試みを実践し、業務の効率化を図っている。

*13:学校法人基礎調査のデータ入力業務にRPAを導入。手作業が軽減され2割以上の業務削減効果 https://winactor.biz/case/teikyo.html

*14:本年度は、特に各部署からの要望に応じたデータの見える化やペーパーレス化に取り組み、RPA(Robotic Process Automation)を導入し業務の効率化とミス防止を図りました。

*15:「2019年度学校法人東京理科大学 事業計画書」2016 年度から実施している業務プロセス改革の業務分析結果を踏まえ、労働生産性の一層の向上を図るために、本年度は生産性向上に向けた業務標準化および効率化をさらに推進するとともに、RPA(Robotic Process Automation:業務自動化)、AI の導入を検討します。https://www.tus.ac.jp/info/foundation/pdf/business/2019_1.pdf

*16:RPAの導入による事務業務効率化に取り組み、複数課室業務においてその実効性を確認しました。

*17:https://www.sankeibiz.jp/business/news/191002/prl1910021426106-n1.htm

*18:私立学校の教育条件及び経営に関し、情報の収集、調査及び研究を行い、並びに関係者の依頼に応じてその成果の提供その他の指導を行うこと。