Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学職員がイベントに関わる時の手順・発想方法のまとめ

high190です。
「大学職員」と聞いて、大学以外の職場で働いている人たちが一般的にイメージしやすい部署は教務課や学生課などが思い浮かぶでしょうけれど、実際には様々な業務を担当する部署があり、部署によってかなり業務領域が異なるのが大学組織の特徴だと思います。そうした多種多様な業務の中に「イベント企画」というものがあることは、あまり知られていないように思います。
私は就職して9年目の職員ですが、今までに何度かイベントの企画・運営に関わってきた経験があります。新校舎の落成披露、新学部等の設置記念、周年事業、大学横断型の職員交流イベントなど色々な種類のものがありましたが、オープンキャンパスなどの定期開催のものと異なり、毎回趣旨が違うため企画立案や実施方法などの面で試行錯誤を繰り返してきました。そうした経験から、自分なりにイベントをうまく回すためのスキームを考えてきたのですが、一度過去の振り返りも込めてまとめておきたいと思います。
ちなみにhigh190の手順や発想方法は小規模大学のケースなので、必ずしも全ての大学に適用できるものではないと思います。その点をお含みおきいただけると嬉しいです。

1.申込はWebフォームを活用する

最近ではテクノロジーが進化しており、色々なツールがありますので、使いやすいものを選べば良いと思います。私の職場ではGoogle Apps for Educationを採用しているので、Googleフォームを活用しています。

フォームを設計する際、不要な問い合わせが来ないよう明確な設問を設定するなどの方法がありますが、*1個人的にとても便利だと感じたのは、Google Apps Scriptで自動返信機能を実装することです。*2これは登録内容を自動的にメール返信する機能なのですが、過去にイベントでGoogleフォームで申込する形式を採用をした後、ちゃんと登録されていますか?という電話の問い合わせが多発したので、自動化した方が便利だと気づいてからは毎回活用しています。そして、自動返信先のメールアドレスをGoogleグループで構築しておくと確認漏れなどが無くなります。ただし、事前に自動返信が行く旨をメンバーに伝えないと一気に数十通のメールが届くことになるので、そこは注意しておく必要があります。

2.GoogleサイトやWikiで手順をまとめておく

過去のイベント担当者が異動したことによって、作業手順、実施要領などの資料が散逸してしまうことも、大学職員仲間の間で案外よく聞く話です。そうしたことを防ぐためにも、イベントで使用した実施要領などのファイルと一緒に説明書きを共有化しておくことが大切だと思います。使用するツールも様々ありますが、今回は私も活用しているGoogleサイトをお知らせしておきたいと思います。

3.ソーシャルメディアを活用する

ソーシャルメディアTwitter,Facebookページなど、様々な手段を活用できるようになりました。例えばFacebookページを活用する場合、イベント用にページを新しく作って活用していくというやり方があります。

大学でのソーシャルメディア活用はイベント以外にも様々な事例がありますので、参考にされることをおすすめします。*3 *4また、活用する前提としてソーシャルメディアポリシーを整備しておくなど、*5インフラ面での対応も検討しておく必要があります。

4.自学の教育・研究と内容をリンクさせる

職員目線での企画立案時に、忘れたくないのが自学の教育・研究内容を、うまくイベントの中に組み込むことです。例えば私の場合、あるゼミで開発した商品を学内のイベントで販売できるような場所を作ったり、来場者にアナウンスするなどの企画を練ったことがあります。これは学部の教育内容を踏まえて、実践的な学びの場を作り出すために何ができるか?を考えたことで発想できました。このように、当該教育組織の教育目標や教員の研究内容を把握して、イベントの企画内容との整合性をつけるために教職協働を行うなど、職員だからこそできることだと思います。個人の企画力次第で色々なことができると思いますので、是非、職員目線からの発想を教職協働で形にしていけるようにしたいものです。

以上のように、イベントに関わる仕事は大学職員にとっては結構身近な業務ですが、上手に回していくためのスキーム作りはあると思いますので、業務の参考になれば嬉しく思います。もちろん、データによってはクラウド共有すべきでないようなものもありますので、その辺りは頭を使いながらうまくナレッジ・マネジメントのサイクルを回していけると良いですね。

*1:会員登録フォームを構築するポイント http://www.web-20.net/2008/08/post_81.html

*2:Googleドキュメントのフォーム機能からGoogle Apps Scriptを使ってメール送信 http://creazy.net/2011/03/google_form_mailsend.html

*3:近畿大学、新入生の不安解消へFacebookグループ開設、友達づくり支援 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130410_595407.html

*4:ITビジネスを学ぶ学生と学生街がコラボ 近大、Facebookアプリ「KU-CAI」で学生街を活性化 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/06/news142.html

*5:大学のソーシャルメディアポリシーを定めよう! http://d.hatena.ne.jp/high190/20111121