Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大日本印刷が社員食堂のメニューに女子栄養大学の学食レシピを採用

high190です。
ここ最近、大学食堂がメディアの注目を集めています。*1 *2タニタ食堂のレシピを採用した佐賀大学*3栄養学の見地から学生食堂でヘルシーなレシピを提供する女子栄養大学などです。女子栄養大学の学生食堂レシピは出版され、大きな反響があったことでも知られていますが、*4今度は大日本印刷の社員食堂に、女子栄養大学の学生食堂レシピが提供されるようです。


大日本印刷DNP)は12日、同社とDNPの100%子会社で福利厚生施設の管理・運営を手がけるDNPファシリティサービスが、女子栄養大学のカフェテリア(学生食堂)で提供されているメニューを採用し、DNPグループの社員食堂で提供すると発表した。
DNPDNPファシリティサービスは、近年の健康志向の高まりを受け、食事を通じた社員の健康の維持・増進と、働く活力を生む食環境の提供を目指して、ヘルシーメニューの一層の充実を図ってきた。しかし、健康の維持・増進に役立つとともに、美味しさも兼ね備えた日替わりのメニューを独自に開発することは困難だった。そこで、今回、食を通じた健康づくりに関する歴史と実績を持つ女子栄養大学の協力を得て、同大学の学生食堂で提供されるメニューをDNPグループの社員食堂用にアレンジし、定食メニュー「女子栄養大学カフェテリアランチ」として提供することとした。
同メニューは、男性も多いDNPグループ社員の属性に合わせ、カロリーに影響の少ない野菜を中心に量目を増やすなどの変更を加え、主菜、副菜、汁物、ご飯(胚芽米)で構成され、管理栄養士が、必要な栄養素やカロリー(1食平均650kcal)、塩分量を計算している。また、胚芽米に、貧血予防や胃腸の働きを整える効果がある葉酸米を混ぜているなど、栄養や食材のバランスをとってより健康づくりを意識した内容となっている。
東京・市谷地区の社員食堂で「女子栄養大学カフェテリアランチ」の提供を開始し、今後、DNPファシリティサービスが運営している全国のDNPグループの社員食堂においても、同メニューを順次提供していく計画。

大日本印刷のWebサイトにプレスリリースが出ています。

栄養学の観点から提供されるヘルシーな食事に注目が集まっているのですね。女子栄養大学のように栄養学を教育研究の中心に置く大学にとっては、社会貢献と同時に大学広報にも繋げられる取り組みで、広報的なインパクトの高さと同時に人間にとって欠かすことのできない「食事」への貢献も行えるのですから、まさしく一石二鳥ですね。さて、学生募集の観点から考えると、大学食堂が充実しているか否かについても受験生の評価ポイントのひとつとして挙げられるようになるなど、単純に安いだけではなく栄養面でも配慮がなされた食事を学生に提供することも大事な観点ではないかと思います。
私の勤務先の大学は夏季・冬季・春季の休暇期間中には食堂が閉まってしまうのですが、食堂が開いている時には基本的に学食でお昼を食べるようにしています。価格が安いこともありますが、何よりも学生たちがどんな会話をしているのか、また提供される食堂のサービスがどうなのかを自分の目で知っておきたいということもあります。職員もなるべく学生の領域に入っていって、学生たちの目線で考えることが大切だと思いますので、学生食堂は学生間のコミュニケーションを知るには格好の場所だったりもします。このように大学にとってより大きな存在になりつつある学生食堂。職員の目線で改めて自分の大学の食堂を眺めてみることも、学生サービス向上のために大切なのではないかなと思います。

*1:日本経済新聞が全国のおすすめ大学食堂ランキングを発表−http://d.hatena.ne.jp/high190/20111017

*2:東京多摩地区の大学学食ガイド本が人気。にわかに巻き起こる学食ブーム?−http://d.hatena.ne.jp/high190/20111128

*3:佐賀大学タニタの食堂メニューが食べられる!学生が講義の一環で企画して実現−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110628

*4:女子栄養大学の学食レシピ本、11万部を売り上げる人気に−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110215