Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

山梨大学ワイン科学研究センターが既存価格のワイン分析機器を100分の1にする機械を開発

high190です。
山梨大学ワイン科学研究センターでは、最低でも100万円程度するワインの色や渋み成分量を分析する機器を、1万円程度で開発できるかも知れない新技術を開発したそうです。
既存機器の100分の1で商品化できれば、ものすごいブレイクスルーですね。ワインの市場は世界中にありますから、潜在的な利益は計り知れないものがあります。

山梨大学ワイン科学研究センター(甲府市北新)の奥田徹教授らは、ワインの色や渋み成分量を分析できる機器の研究に乗り出した。
市販されている分析機器は最低でも100万円程度と高価だったが、100分の1のコストで製作した機器がワイン分析にも使えることが判明。実用化されればワインの品質の均一化につながり、コストを抑えたいワイナリーには朗報となりそうだ。
低コストの分析方法を開発したのは同大機器分析センターの鈴木保任(やすただ)講師。LEDの光の吸収率によって井戸水などの成分を分析する機器を独自に製作した。
ワインの分析では、果汁の濁度や色、渋み成分の量などが重要な要素だが、分析機器が高価なため、技術者の「カン」に任せるワイナリーが多いという。鈴木氏の機器は製造コストが約1万円と安い。
奥田教授らが機器を借り受け、昨春からワインやブドウ果汁などで試験的に分析を始めた。9月までに約20回の実験を行った結果、「色」「ポリフェノール含有量」「濁度」「果汁中の窒素化合物の量」「渋み成分の量」の5項目について、ほぼ正確なデータを得ることに成功したという。
今後は実用化を見据え、論文発表のための本格的なデータ収集に乗り出す。機器を製造販売してくれる企業も募る予定だ。
奥田教授は「機器がワインの分析に利用可能と証明し、実用化できれば、全世界でニーズがある。世界中のワイナリーの品質・製造管理に一役買えれば」と意気込んでいる。

学内の他センターで開発された機器を分析に用いたところ、このようなブレイクスルーに繋がった訳ですね。こういった学際的な対応ができることこそ大学の強みだと思います。
あとは実証データを集めて、機器を製造販売できるところまでどうやってこぎつけるかがポイントです。機器をワインの分析に活用した奥田教授の業績等の紹介は以下の通りです。


品質管理に役立つ機器開発を行うことで大量生産にも対応が可能になりますが、技術者の「カン」を重視した手作りの酒造りも残していってほしいです。ワインは世界中に愛飲している人がいる大きなマーケットだけに、様々な製品があっていいでしょう。日本のワイン生産地として有名な山梨だからこそ独自の研究ができる訳で、地域特性にあわせた独自色のある研究成果が出せることは大学にとって大きな強みです。山梨大学ワイン科学研究センターが今後も継続して魅力的な成果を上げていけることを期待しています。