Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東京工業大学の教授が発明した半導体技術、サムスン電子との特許使用契約を締結

high190です。
東京工業大学の細野秀雄教授が発明した、次世代液晶ディスプレーの実用化に半導体技術を韓国のサムスン電子が特許使用する契約を結んだそうです。
特許収入は研究費を提供した科学技術振興機構東京工業大学、細野教授の3名で分け合われるとのこと。

東京工業大の細野秀雄教授(57)が発明し、高精細な次世代の液晶ディスプレー実用化のカギを握るとされる新しい半導体について、基本特許を持つ科学技術振興機構は20日、世界トップのディスプレーメーカーである韓国サムスン電子に特許使用を認める契約を同社と結んだ。
同機構などが同日、発表した。
新しい半導体は高性能の薄膜トランジスターで、従来のアモルファス半導体に比べ電子移動の速さが10〜20倍になり、約10倍の高解像度化が可能。高精細な大型液晶ディスプレーをはじめ、スマートフォン(高機能携帯電話)などへの応用が期待され、同社は1〜2年後の商品化を目指す。
文部科学省などによると、大学の研究成果に伴う特許収入のトップは、赤崎勇・名古屋大特別教授らが開発した青色発光ダイオードの56億円。ディスプレー産業の市場規模は10兆円にのぼり、同機構は「細野教授の半導体もこれに匹敵する特許収入になる可能性がある」と期待している。今回の特許収入は研究費を提供した同機構と、東工大、細野教授らで分け合う。

科学技術振興機構のWebサイトにプレスリリースが出ています。

理工系の大学だからこそ、こういった特許収入などの道もあるのだとは思いますが、社会に役立つ研究に相応の対価が支払われるのは当然といえば当然ですね。
もっと日本の大学でも特許収入への道を拓ける研究が実施されることを期待するのと同時に、研究支援体制の充実化も今後の課題であるように思います。