Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

上智大学が教職員賞与を削減して特別奨学金を創設

high190です。
上智大学では、教職員賞与予算を削減して経済的に就学が困難な学生向けに特別奨学金制度を創設することになったそうです。


経済的に苦しい学生を支援するため、上智大学(東京都千代田区)は昨年末の教職員ボーナス予算3000万円をカットして、来年度から特別奨学金を創設すると発表した。各大学は不況対策で奨学金を拡充する傾向にあるが、ボーナス予算から捻出(ねんしゅつ)したのは異例。
上智大企画広報グループによると、ボーナスカットの対象は、同じ学校法人が運営する上智短大上智社会福祉専門学校を含めた教職員計約810人。1人平均約3万7000円が減った計算になるが、教職員組合とも合意したという。
捻出した予算3000万円は3年分の奨学金に充て、来年度から毎年1000万円を特別奨学金として計上する。現在検討している基準で経済的に困難と認めたグループ3校の学生計100人に1人10万円を給付し、12年度まで続ける。返済の必要はない。
大学企画広報グループは「教職員にはいろいろな意見があったと思うが、建学の理念であるキリスト教の他者愛精神が具体化した奨学金になった」と話している。

教職員の一人当たり賞与で見ると3万7000円減だそうですが、教職員組合とも合意したとのことです。
今までこうした形での奨学金制度を立ち上げる大学は少なかったかも知れませんが、経済的に就学が困難な学生は増えていく一方の状況で給付型奨学金への期待は日に日に高まっています。教職員の反発はあるかも知れませんが、学生を第一に考えた結果の判断ですので、最終的には納得が得られるのではないかと思います。
ある意味で学校法人運営の中の「埋蔵金」的存在だったのが教職員人件費。教育研究経費に予算を振り分けるというのは、なかなか斬新な発想でしょう。

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