Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

就職難も何のその@秋田・国際教養大学

high190です。
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今春、大学を卒業する学生のうち、就職できない学生が10万人を超えるのではないかと言われています。

就職も進学もできずに大学を卒業する人が2010年春は10万人を超える見通しとなったと、就職情報サービス会社「ディスコ」がこのほど調査結果をまとめた。文科省の学校基本調査などを基に推計したもので、10万人超えは6年ぶりという。
卒業見込みの人のほぼ4人に1人になるともされており、「就職氷河期」の再来が濃厚になっている。推計では、フリーターも、過去最多の3万人程度に上る見通しという。

このように現在の大学を取り巻く厳しい就職戦線の中、秋田にある公立大学法人国際教養大学では、就職希望者全員が内定を得ているそうです。


(上記Webサイトより抜粋。赤字の部分はhigh190による強調です)

今春卒業予定の大学生の就職内定率が低迷する中、国際教養大(秋田市)は就職を希望する95人全員が内定を得た。2004年4月に開学、就職活動初年度となる07年度から内定率100%で、08年度も1人を除いて全員希望する企業に就職しており、3年連続の好成績が続いている。
教養大は、就活時期と重なる3、4年時に海外留学するケースが多く、秋に入学した学生や国内外の大学院に進学する学生もいるため、4年生が一斉に就職を希望することはない。このため、本年度の就職希望者95人のうち、3期生(06年度入学、約120人)は50人で、残りの45人は1、2期生(04、05年度入学)が占める。
教養大キャリア開発室によると、本年度の求人は、中堅メーカーが昨年に比べて減少し、総合商社への就職内定が前年度の2人から7人に増えるなど、大手に進むケースが目立つ。
また、自治体や警察などこれまで数人だった地方公務員への就職内定者も増えたという。
08年度まで2年連続で1けた台だった県内への就職内定は10人に上り、全体の1割を占めた。キャンパス内で開かれる企業説明会は前年の約50社から約60社に増えるなど、企業側の教養大に対する関心の高さがうかがわれる。
本年度を含め、3年連続で3人の学生採用を決めた東京のある大企業の人事担当者は「留学の義務化や英語での授業など、ほかの大学にはない環境で学んだ学生に、これからの時代を生き抜いていく企業人としての将来性に期待している」と評価する。
文部科学、厚生労働両省が昨年10月1日現在でまとめた今春卒業予定の大学生の就職内定率は、前年に比べて7.4ポイント低下した62.5%で、00年前後の「就職氷河期」並みの低水準だった。

国際教養大学は、国際交流の一環として学内で「ロングのり巻き」のイベントやっていた大学です。


単純に一般化することはできませんが、企業の求める人材像=企業人として将来性のある人材かどうか?ということです。
留学の義務化や英語での講義など、他の大学にはない環境で学んでいる国際教養大学の学生への期待度が高いのも頷けます。

個人的に気になるのは、国際教養大学の留年率ですね。
2006年度入学者120名のうち、就職希望者が50名ということは、その他の進路に進むまたは留年する者が70人程度いるということ。また、同様に今春の就職希望者のうち45名は2004,2005年度入学者であるということです。
留年しても大学を卒業すれば就職できるだけ、学位の質が保証されているということですね。改めて見習うべき点だと思います。

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