Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

アリの研究(進化生物学)で集団維持の戦略が分かるらしい

high190です。

北海道大学の准教授がアリの行動特性を研究したところ、面白い調査結果が出たそうです。


働きアリを「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」に分けて、それぞれの集団(コロニー)を作り直しても、一定の割合で「働き者」「怠け者」に分かれることが北海道大学の長谷川英祐(えいすけ)准教授(進化生物学)らの研究でわかった。
誰も働かなくなる時間を減らし、安定した労働力を保つ集団維持の戦略と見られる。茨城県つくば市で開かれている日本動物行動学会で28日発表された。
長谷川さんらは、日本全国にいる「シワクシケアリ」の八つの集団に、1匹ずつ印をつけて幼虫の世話、巣の修復など集団に貢献する「仕事」をどのくらいこなしたか、1か月間行動を観察。そのうち「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」を取り出して、それぞれの集団を作り直した。その結果、どちらも元の集団同様「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」に、ほぼ同じ割合で分かれた。
働きアリも疲れて休息するが、「働かないアリ」がいるほうが、集団全体で「誰も仕事をしなくなる時間」が減ることがコンピューターの模擬実験でわかった。長谷川さんは「幼虫や卵の世話は少しでも中断すると集団全体の死につながる。そのため、わざわざ働き方に差がでるような仕組みをとっているのではないか」と話している。

集団全体の維持のために、意図的に役割を分けているのだとしたらまさに戦略的な役割分担ですね。
客観的に見るとあまり働いていないように見えるアリも、実は組織の継続に意味のある行動をしているんですね。組織が止まらずに動き続けられるよう、仕事のフローを厳密に定義してそれぞれグループ別に役割分担をしています。人間よりもすごいような気がする・・・
それにしても面白い研究ですね。興味があったので、北海道大学の長谷川英祐先生の業績などを調べてみました。

研究キーワードは「社会性, 分子系統, 進化生態」だそうです。個人的な意見ですが、長谷川先生の研究内容と人的資源管理論をミックスすれば、とても面白い研究ができるような気がするですけどね。職場における役割モデルの分析とでもいうんでしょうか。それにしても大学には面白くて深い研究をしている先生がいるんですね。改めて大学の奥深さを感じました。

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