Clear Consideration(大学職員の教育分析)

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駒澤大学に続き、立正大学も金融取引で148億円の含み損を抱える

high190です。
ここ数日大学関係者を賑わせている駒澤大学の金融取引による損失計上。大学間競争を生き残るには資産運用も重要なポイントであるため、大学関係者にとって大きな関心事です。
他の大学でも損失を計上しているところが今後報道されるんではないかな?と思っていたところ、立正大学が148億円の含み損を抱えているとのニュースが入ってきました。


立正大学(東京都品川区)が資産運用を目的とする金融取引で、今年9月末時点で約148億円の評価損を抱えていることがわかった。
同大の財務担当理事は「債券は長期保有を目的としており、ただちに学校経営に影響するものではない」と説明している。
理事によると、同大は国内の証券会社を通じ、欧州の国債などを外貨建てで購入して運用しているが、円高や金融市場の混乱で評価額が下がり、今年3月末時点で約96億円だった評価損が、約148億円に拡大したという。
大学の金融取引を巡っては、駒沢大学が154億円の運用損を計上したことが判明。文部科学省が報告書の提出を求める事態になっている。


立正大学(東京都品川区)は20日、資産運用のための金融取引で、今年9月末時点に148億円の含み損を抱えていることを明らかにした。先に駒沢大学(東京都世田谷区)がデリバティブ金融派生商品)取引で154億円の損失を計上するなど、世界的な金融危機が日本の大学経営の財務面に大きな影を落としている現状が浮き彫りになった。
立正大では、資産運用を野村証券大和証券SMBCなど国内4社に委託している。運用資産は、国債、地方債、社債投資信託のほか、豪ドルを組み込んだ仕組み債。これらの含み損は、今年3月末時点で約96億円だったが、足元の金融市場混乱や円高が直撃して拡大した。一般的には、仕組み債は、各種有価証券や不動産などの資産を組み合わせて組成する複雑な金融商品
立正大は各種金融取引について、「満期保有を基本としているため、最終的な損失額は確定していない」としており、現時点で評価損は計上していない。

「ただちに学校経営に影響するものではない」と財務担当理事は説明していますが、長期的には大きな影響のある数字ではないでしょうか。長期保有を目的としているそうですが、今後も世界経済の減速が予想されている以上、これ以上の損失拡大を防ぐ上でも何らかの対処が必要になるのではないかと私は考えます。

ちなみに立正大学日蓮宗駒澤大学曹洞宗と両大学とも仏教系の大学ですね。不思議な一致ですが。

両方の大学とも3月時点では含み損が今よりも少なかったんですが、その後も保有し続けた影響で損失が拡大してしまったんですね。
確かに経済状況の見極めは難しいですが、本当に回避できなかったのかどうかという点では疑問があります。(ちなみに両大学とも経済学部があるんですよね。理事の中に経済学部の先生はいらっしゃらなかったんでしょうか?)

今後も「○○大学が金融危機の影響で損失計上」というニュースが飛び込んできそうな予感。各大学の対応に注目が集まりそうです。

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