Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

昭和大学の約9億円申告漏れから戦略的情報公開を考える

high190です。
東京都品川区にある昭和大学が東京国税庁から約9億円の申告漏れを指摘されていたそうです。


昭和大学(東京・品川)が東京国税局の税務調査を受け、2007年度までの5年間で約9億1000万円の申告漏れを指摘されていたことが22日、分かった。
関係者によると、昭和大は所属していた臨床医が他の病院に再就職した際に病院側から金銭を受け取っていたが、非課税対象の寄付金として計上。同国税局は派遣による収益事業と認定した。昭和大は公益法人として優遇措置を受けており、追徴税額は1億円超。

大学にとってネガティブな情報を公開しなければならない時の大原則は「情報公開の迅速性」です。ネガティブな情報であっても迅速に公開し、当面の対応策と今後の改善策を公に明らかにしなければなりません。これが、先日のGreenhorn Network勉強会で読売新聞記者の松本さんが言っていた「戦略的情報公開」のことです。長い目で見てこの情報が大学にとって何をもたらすのかという戦略的な視点に立ち、メリット・デメリットを分析した上で情報を公開する。

ネガティブな案件であっても、情報公開のやり方によっては社会に良いイメージを与えることもできます。例えばテレビショッピングで有名なジャパネットたかたは顧客の個人情報が漏洩した際にも、社長自ら謝罪会見をいち早く行い、企業ブランドの下落を最小限にとどめることに成功しています。

ある意味で一般市民は企業よりも重い社会的責任を大学に求めているのかも知れません。日経の記事にもあるように、大学は公益法人として優遇措置を受けているのでなおさらです。その分、問題が起こったときの対処は募集面へのダメージまで考えられた戦略的なものでなければなりません。

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