Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

教員の教育面での業績はどう評価するのか

high190です。
大学教員の仕事は大きく教育と研究の二つに分けられます。

このうち、研究については何らかのアウトプットが形になって現れてくるので目に見えやすいのですが、教育についてはどのように評価するのかという基準が極めてあいまいだったりします。これは大学にもよりますが、high190が勤めている大学は小規模な大学であるため、教員は研究よりも教育により重点を置かなくてはいけません。ただ、実質的な教育面での業績を評価する基準・ポリシーが不明確であるということが現状の問題点ではないかとhigh190は考えています。

熱心に教育に取り組んでいる教員が評価されないのであれば、誰も教育に力を注がなくなってしまいます。これは大学教育における大きなマイナスであると感じます。学生にとっても、教員にとっても、です。

(上記記事より一部抜粋)

「ティーチング・ポートフォリオ」とは、教員が自らの教育活動をまとめたもの。

上記記事で紹介されている「ティーチング・ポートフォリオ」、恐らくどの大学でも各教員に教育・研究の業績について、毎年度提出を求めていると思いますが、提出された内容を教員評価に活用している大学はどのくらいあるのでしょうか。ちょっと気になったので短時間ですがwebサーチして調べてみました。

(上記サイトより一部抜粋)

ティーチング・ポートフォリオは、近年アメリカの大学で教師の教育活動の評価のために用いられるようになった方法です。教師は、自分の教育活動の成果と質を証拠立てる資料をそろえ、それをひとつのファイルにまとめて、教育業績の評価を受ける、というものです。もともとはこのように教師の教育における能力を評価し査定するために作られるものですが、これを自分の授業改善のための資料、つまり拡張された授業記録としての役割に転用することができます。

なるほど、ティーチング・ポートフォリオを活用することで教育業績を評価するとともにFD用の資料としても使ってしまおうということですか。確かに両者には共通する面がありますし、そういった意味では大学全体として共通のプラットフォームを採用して活用するということもありなんじゃないでしょうか。実際にこんな論文もあるみたいですし。

最近ではブログを書いている大学教員も増えてきています。ブログのよいところは更新が簡単であることと、システムによりますが過去の情報を探しやすいというところにあるのではないでしょうか。自らの教育内容をwebにアップすることには、最初は抵抗があるかも知れませんが、外部公開することで次の改善が見えてきます。研究だけでなく、教育にも不断の改善は必須です。ティーチング・ポートフォリオを活用した教育改革が色々な大学で行われるようになったら、もっと大学教育も魅力的なものになるんじゃないかなと思ったhigh190でした。

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