Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

山形大学と立命館大学の異色協定

high190です。
山形大学立命館大学が包括的協力協定を締結しました。

山形大学は前文部科学次官の結城章夫氏を学長に迎え、FDを中心とする大学改革を行っています。立命館大学は言わずと知れた大学改革の先導者として有名な私立大学です。ちょっと個性は違いますが、改革という共通点で重なっている両大学が協定を結ぶというのは興味深いものですね。

山形大学山形市、結城章夫学長)は19日、立命館大学京都市、川口清史学長)と「包括的協力協定」を締結した。学生や職員の相互交流を通じて教育の質の向上を図る。山形大が他大学とこの種の協定を結ぶのは初。将来は単位互換制度や双方の学位が取得できる「ダブルディグリー制度」などの導入に踏み込むことも検討する。東北の国立大学法人と関西の有名私立大学が組む異色の組み合わせとなった。
両大学は学園祭シーズンの10―11月に5―10人程度の学生を相互に派遣する。数日間にわたって相手校の講義やゼミ、課外活動などに実際に参加。交流で得られた成果を基に、教育活動の充実に向けて学生の立場から各学長に提言する。
少子化に伴う学生の確保策など経営課題について意見交換するため、両校の若手職員らで合同の作業グループも設置。今年度内に両学長に改善提案を行う。事務職員の人事交流も検討。7月に結城学長が立命館大で、10月には川口学長が山形大で講演会を開く予定。

学園祭時期の相互学生派遣、最近では同時中継システム*1なんかも上手に活用すれば二元的に学園祭を結ぶなんてこともできますしね。山形と京都を結ぶなんていうことも以外に簡単なんですよね。


ちなみに「事務職員の人事交流も行う」とありますが、両大学は結構事務職員の能力開発にも力を入れています。

立命館大学については本ブログでもたくさん取り上げています。

人事交流ということは出向なんかも行うんでしょうか?独立行政法人と私立大学間で職員の相互に出向を行うなんて、今までは考えられなかったことです。ただでさえ、大学職員は広がりのない仕事に終始することが多いように感じますので、活気的な取り組みとして大学業界から注目されるかも知れません。


自分達が正しいと思っていて取り組んでいたことが実は別の視点から見ると極めておかしなことであった、なんていうことはよくあることです。そしてそうしたことが大学では現在も起こっているのです。もっと外部との交流が必要だと私自身感じますし、時には自分の存在価値を見失いそうになる程、インパクトが大きい可能性もあります。しかし、それだけ得るものもきっと大きいはずです。何かを掴み取るんだ、という意思があってのことだとは思いますが。


山形大学立命館大学の協定は今後もどのように進展していくのか、とても興味深いものになりそうです。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ

*1:職場の後輩(情報センター勤務)によるとポリコムhttp://www.polycom.co.jp/というのが便利だそうです