Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

文部科学省の教育振興基本計画は実現できるのか

high190です。
政府が発表した「教育振興基本計画」について、色々な議論があるようです。

「幼稚園、保育所は無償」「私立大学生200万人に30万円支給」――。政府の「教育振興基本計画」で、教育投資の総額が対国内総生産(GDP)比で、現在の3・5%から5%になった場合、文部科学省が検討している増額分1・5%(約7兆円)の使途が29日、明らかになった。
低所得者世帯の大学生の授業料免除や私立の高校・大学生などへの授業料減額などに約2・2兆円をつぎ込むなど大盤振る舞いが目立つ。財務省は反発を強めており、振興計画の閣議決定は6月中旬以降にずれ込みそうだ。
「教育振興基本計画」は、今年度から5年間の教育政策の財政目標を定めるもの。4月の中央教育審議会の答申は、国の財政事情に配慮し、投資額の目標は示さなかった。だが、自民党文教族議員から「教育にかけるお金をきちんと書き込むべきだ」など“激励”の声があがり、文科省は計画原案で数値目標を織り込んだ。
一方、財務省は「財源や使途が不明」と反発。このため、文科省は増額分約7兆円の使途を急きょまとめた。
年収200万円未満の家庭の大学・短大生の授業料は免除、500万円未満は半額免除する。すべての学校施設の耐震化に約1兆円、3〜5歳児までの幼稚園と保育所の無償化費用として計約7700億円を盛り込んだ。また、文科省は同計画に教職員定数の2万5000人増員を盛り込んでおり、この人件費を1750億円と試算している。

こうやって考えると、政策立案に関して政治家の発言力って大きいですよね。こうした後押しがあって、数値目標なんかも決まってくるわけですしね。


さて、実際の政策面の議論に話を移すと教育関連事項に予算が付くということは一応の教育関係者である私からしても嬉しいんですが、問題は配分の仕方じゃないかと思うんですよね。大学・短大関連だと年収200万円未満の家庭から通う学生の授業料を免除とありますが、実際のところ免除にするのか奨学金を与えるのかでは話の内容が変わってきます。

教育振興という観点から考えると、一律配分ではなくて要件審査などを取り入れていった方がより効果的な気がするんですが。

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