Clear Consideration(大学職員の教育分析)

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早稲田大学と筑波大学が医学・理工学の両学位を8年間で取得できる包括協定を締結

high190です。
早稲田大学筑波大学が医学・理工学の両学位を8年間で取得できる包括協定を締結しました。

筑波大(茨城県つくば市)と早稲田大(東京都新宿区)は20日、医学と理工学両分野の専門的な知識を身に付けた人材の育成などを目的に、教育・研究活動で交流、連携を推進する包括協定を結んだ。今後、具体的な取り組みをまとめ、来年度以降に順次実施する。
協定で、筑波大の医学分野と早稲田大の理工学分野の学士課程を8年間かけて履修し、双方の学士号を取得できる制度を導入。理工学に精通した医師や、医学的知識を備えた理工学研究者の養成を目指す。
このほか、古代オリエント研究やロボット研究などでも連携。共同研究の推進や図書館の共同利用、海外拠点の相互活用なども検討する。
東京都内で記者会見した筑波大の岩崎洋一学長は「法人化した国立大にとって、大学運営について私学から学ぶことは多い」と指摘。早稲田大の白井克彦総長も「国立と私立という形態を超えた連携で、日本の高等教育の新たな挑戦になる」と話した。

早稲田大と筑波大は20日、理工学と医学の両方を最短8年間で学べる教育プログラムを10年度にも始めると発表した。両分野に精通する有能な医師の育成が狙いだが、医学部のない早大にとっては、理工学部から筑波大医学群に編入して医師になる道が開かれる。
今回のように学生が二つの大学で同時に学位を取れる仕組みは「デュアル・ディグリー制度」などと呼ばれている。だが、日本では医学部(群)への編入は通常大卒者を対象とし、他大学他学部生を受け入れるケースは非常に珍しい。
理工学を学ぶには通常4年、医学では6年かかるが、両大学の新しいプログラムは、早大理工学部に入学して3年間学んだ学生が筑波大医学群に編入して4年間学び、8年目に早大に戻って二つの学位を取得する−−ようなケースを想定する。ただし、医学群への編入希望者には試験(定員5人)への合格が課される。
早大の白井克彦総長は「研究志向の医師を育成するのが目標」と語り、筑波大の岩崎洋一学長は「両分野を橋渡しする人材を共同で育てたい」と話した。両大はこのほか、学生の交流や共同研究など教育・研究分野の包括的な連携を進める協定を結んだ。

実質的にこの両学位を取得するには10年を必要とすることから、2年の短縮になるとありますが、マイスターさんの大学プロデューサーズ・ノートでも指摘されているとおり、学士編入学ならば同じ8年で学位は取れるんですよね。そもそも、大学入学時に医学と理工学の両方を修めたいという“高い志”を持った人がどの程度いるのか?ということも結構疑問だったりします。
ただ、デュアル・ディグリーという取り組みはなかなか面白いですね。これは戦略的大学連携支援事業とかとは関係ないのかな?

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