Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

24時間キャンパスを学生に開放する取り組みについて

high190です。
学生時代、よく講義が終わってから友人と学内で色々なことを話しました。大学での勉強のこと、就職のこと、人間関係のことなどなど。友人と意見を交わし、そのことによってより勉強した内容を深く理解できることもありました。学生時代にそのような時間を過ごせるということは実に貴重なことで、そうした経験が後に役立ったりするものなんじゃないかと思います。
そういった意味では、大学で夜遅くまで学生同士が語り合い学びあう環境を大学は整備する必要があるのではないでしょうか。
東京にある嘉悦大学では、大学の一部を24時間開放する「24時間キャンパス」をスタートさせたそうです。

嘉悦大学小平市)が7日から、キャンパスの一部を学生に常時開放する「24時間キャンパス」を始めた。主にインターネットを使った学習環境を整えるのが狙いで、同大の加藤寛学長は「他大学でもこうした動きが出てくるようになってほしい」と話している。
同大が、これまで学生にキャンパスを開放していたのは午後9時まで。同大は講義で使うノートパソコンを全学生に購入させ、学内全域に無線LANを導入している。しかし、自宅でネットを使えない学生からは「もっと遅くまで大学に残りたい」との要望も寄せられていた。
24時間キャンパスは、今年4月に就任したばかりの加藤学長が発案。対象は、昨春に改装したC棟(3階建て)の1、2階で、1階の食堂と2階の多目的スペースを開放する。最大約100人が利用できる。
午後9時以降も利用したい学生は当日、残留届を大学に提出。「残留カード」を受け取ると、夜間も自由に出入りできる。24時間化に伴い、大学の教員数人が当番制で滞在することにし、警備員の数も増やした。
加藤学長はパソコン学習の重要性を強調し、「世界は24時間動いていることを学生に認識してもらうためにも、学びに没頭できる環境を作ることは大学の役割」と話す。母校の慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC、神奈川県藤沢市)や、前任の千葉商科大学(千葉県市川市)でも24時間キャンパスを実現させてきた。
SFCでは1990年のオープン当初から導入。学生の飲酒など問題も起きたが、学生有志が自主的に使用上の倫理規則を作るなどし、2か月ほどで運営は軌道に乗ったという。当時のSFCで学生時代を過ごした嘉悦大専任講師の細江哲志さんは「自分たちの経験からも、問題があった際に解決しながらルールを作ることもいい勉強になる」と振り返る。
7日午後6時30分からは、24時間キャンパスの開始を記念したイベント「キックオフ 24」を開催。教員がC棟の使用上の注意などを説明するナイトキャンパスツアーなどを行った。
同大経営経済学科2年の福士妙子さん(19)は「これからはもう少し遅くまで勉強できる」と期待し、同2年の村松夏樹さん(19)も「遠くに住む学生にとっては、遅くなりそうなときに泊まれるのでいいこと」と話していた。


同様の取り組みは慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス・千葉商科大学でも実施されています。このプログラムの発案者である加藤寛学長が、各大学で実施してきた取り組みで、嘉悦大学でも実施することになったようです。遅くまで大学に残って勉強できるだけではなく、上記のような学生同士が語らう場を設けるということは学生間のコミュニケーションを創出する上でも有効に機能しそうですね。
ただ、上記の加藤学長のコメントにもあるとおり、24時間キャンパスを実施することの理由は学生が勉学に励むためのものであり、企画の成否は学生がどれぐらい活用できるかにかかっています。大学側としては学生が利用しやすい環境整備(例えば軽食の自動販売機を設置するとか?)をする必要がありますね。

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