Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

学生一人当たりの蔵書数はどのくらい?

high190です。
本学では今日から新入生ガイダンス。ある意味では今日からが学生生活の始まりであると言えます。私はガイダンス期間中は前所属部署で業務にあたるよう、上司から指示を受けていますので窓口で学生対応をするのも今週一杯で一旦終了することになります。これから新入生の顔を覚えられるだけに、ちょっと異動するのがさみしいです。
さて、今日は図書館の話題について。日本図書館協会で学生一人あたりの大学蔵書数を調査したところ、トップは天理大学だったそうです。

大学生1人当たりの蔵書数は「文系大学」優位――。社団法人「日本図書館協会」(東京)の統計資料をひもとくと、近畿地方の大学のこんな傾向が明らかになった。
同協会発行の「日本の図書館 2007」に掲載された近畿地方の大学・短大のうち学生数が1000人以上の102校を対象に、付属図書館の昨年時点の蔵書数と、大学院生らを含む学生数(通信制は除く)を基にして学生1人当たりの冊数を算出した。
1位は天理大(奈良)で、約536冊。学生数は3744人と対象大学中42位だったが、蔵書は約200万8000冊で9位。歴史学や宗教学などの蔵書が豊富という。
2位は大阪市立大。学生数は1万人に満たないが、蔵書数が全体の4位だった。京大は約621万冊と大差で蔵書数1位だが、学生数も多く1人当たり冊数では3位だった。
蔵書数に雑誌は含まれない。「最先端の論文が海外の科学誌に掲載されることが多く、理工系学部の図書館は雑誌を多く買う」(京大)との事情もあり、上位のほとんどが文系の流れをくむ大学となった。天理大は外国語専門学校として設立され、大阪市大と神戸大は旧商大。帝塚山学院大(大阪)も開学時は文学部のみだった。一方、医学、理学の2学部で始まり、文系学部を戦後に設置した大阪大は17位だった。
10位以内に国公立と私立は5校ずつ。ただ、蔵書数だけを見ると京大、神大、阪大の順で、歴史ある国立大が上位に顔をそろえた。
実質的な「大学全入時代」といわれるなか、各大学は注目を集める研究に予算を重点的に投入し、書籍購入費を抑える傾向にあるとされる。筑波大の永田治樹教授(図書館情報学)は「新しい情報に触れ続けることが重要なので、大学図書館は今後も蔵書の充実に努めてほしい」と注文を付けている。

大学の魅力のひとつにどれだけの蔵書を所蔵しているか、ということがあります。恐らく、地域住民に図書館を開放している大学も多いと思いますが、学問分野によってはなかなか貴重な本が閲覧できたりするので、多くの書籍を所蔵する大学は魅力的であるということもできるかと。
今回の調査で面白いな、と思ったのは文系大学の方が学生一人あたりの蔵書数が多いということ。これは何故なんでしょうか?理工系の図書は高価であるということも関係しているのかも知れません。

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