Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

リアルとネットのズレからビジネスを創造する

high190です。
eコマースがどんなものなのかを体感したくて、大学生の時にオークションサイトで出品を行っていました。私が出品していたものは書籍が大半だったのですが、自分の予想に反して高値が付く商品があったりして、市場価値って案外分からないものなのだなと思いました。そういった部分で仕入れの目利きが非常に大きなポイントになります。
関西学院大学に在学する学生が、絶版本に特化した書店をインターネット上に設立して人気を集めているそうです。

「学校の勉強では物足りない」と中学時代、不登校になった関西学院大学商学部一年生の松本修平さん(20)=明石市朝霧台=が、書店では入手困難な絶版本を販売するインターネット上の書店を運営、人気を集めている。高校にも進学せず、図書館で経済の専門書を中心に年間二千冊以上を読破。その経験が古書の掘り出し物を探す「目利き」にも役立っているという。松本さんは「不登校を後ろめたく感じている人に、やりたいことをやり通せば未来は開けると伝えたい」と話す。(木村信行)
バブル経済が崩壊した一九九〇年代後半、新聞やテレビは銀行や証券会社の倒産、大学生の就職氷河期などを盛んに伝えていた。
「経済って何?」。明石市内の中学一年生だった松本さんは図書館で金融の本を読みあさり、経済への興味が膨らんでいった。不登校の中学生がインターネットを操って革命を起こす、という村上龍さんの小説「希望の国エクソダス」にも影響を受け、二学期には図書館に通い一日中、本を読んで過ごすようになった。十五歳から親の名義で株取引も始めたという。
絶版本のネット販売を思いついたのもそのころ。趣味の古本屋めぐりで、ネットでは高値で取引されている絶版本が数百円で売られていることに気づき、ビジネスチャンスを直感したという。
二〇〇五年、十七歳のときに「吉報堂書店」を設立。書籍販売の大手サイトと契約し、古書店で絶版になった専門書などを大量に買い付け、ネット販売を始めた。
注文から二十四時間以内に発送するサービスが人気を呼び、月に約二百冊の注文が舞い込むなど順調に売り上げを伸ばしている。
「好きな本をほしい人に届ける、という実体経済にやりがいを感じる」と松本さん。昨年春には関学大に進学。ビジネスプランコンテスト実行委員会や古美術研究クラブで活動する。
不登校の経験があったから今の僕がある。将来、新しいビジネスを始めるために、今は多くの人と出会いたい」

年間二千冊というのは凄いですね!大体、一日平均で5冊半は読まないと到達しない領域です。松本さんの場合、それだけの読書量があることから本に隠されている市場価値というものを自然と掴めるようになったのでしょうね。これは冒頭でも触れましたが、市場価値というものはとても不可解な部分があって本当の価値を知っている人であれば、こうした利ざやを稼ぐことができます。趣味が仕事になる、ということは決して事例の多いことではありませんが、現在のようにインターネットを介して初期投資を掛けずにビジネスをスタートできる環境がこうした事例を生んだのですね。

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