Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学教員のニセ学位問題

high190です。
大学教員の“ニセ学位"いわゆるディグリー・ミルについて文部科学省が調査を行ったところ、全国の国公私立大学のうち46大学で大学案内等にそのまま経歴として記載されていたということです。

研究活動などの実体が確認できない海外の大学の“学位”が日本の大学の教員採用時などに悪用されている問題で、短大を含む46の大学で疑わしい学位を教員の経歴として大学案内などに掲載していたことが27日、文部科学省の調査で分かった。
文科省は「大学教育への信頼低下につながりかねない」として、全大学に「(疑わしい学位を)広告媒体に載せないなど厳正な対応を求める」とする通知を同日付で出した。

確かに欧米の大学名について知識のある人というのは大学内でも少ないと思います。しかし、教員から提出された職務経歴書などを大学側でしっかり確認していなかったのでしょうかね?Webを使えば大概のことは分かりますし、調査がそれほど難しいことではないように感じるのですが。疑わしい学位を大学として掲載するということは大学の信用にも関わってくる問題です。受験生から見れば、ある種の裏切りに映るでしょうし、そんな人から教わりたくないという気持ちもあるでしょう。こうした学位に手を出してしまう理由は、大学教員内に厳然と存在する学歴主義なんでしょうね。もちろん、一般社会と違って学歴が大きく物をいう世界でしょうから“博士”の肩書きが欲しくなる気持ちも分からなくもないですが、学生を裏切るようなことはして欲しくないなと思います。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ