Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

就職の悩みをいかにして解決するか

high190です。
本学でも3年生の学生たちが真新しいスーツに身を包んで就職活動を始める時期になりました。それぞれ希望する会社にエントリーしていますが、なかなか悩みも大きいようです。現在は大学生の就職は“売り手市場”であると言われていますが、人気職種・会社の競争が厳しいことに変わりはありません。いくつものチャレンジを経る中で、学生は現実と向き合う必要性に迫られますが、そうした時に支える人がいるかいないかで随分ちがうのではなかうかと思います。

(上記記事より一部抜粋)

就職活動を始めたばかりのある学生は、何のためらいもなく、こう口にした。「大手企業にしか行くつもりはありません」。バブル崩壊を子どもの目で見てきた世代だからだろうか。最近の学生は大手志向がさらに強まっている。ただ、就職を希望する全員が大手企業に入社できるはずはない。
それでも、多くの学生が限られた数の椅子に向かって殺到する。それを煽るように就職ビジネスが学生の背中を無理矢理に押す。履歴書対策、面接で好印象を与える方法、エントリシートの書き方、筆記試験の攻略法、自己分析、グループディスカッション、立ち振る舞い、スーツの着こなし……洪水のように流れてくる情報の中を、遅れを取らないよう必死になって前へと進む学生たち。理解するのではなく、まずは情報を頭に叩き込む。受験勉強の時と同じ光景。そこに生まれるのは、同じ顔、同じ考え方、同じ言葉を話す学生たちの姿だ。

学生たちは画一的な情報に右往左往してしまうようです。確かに皆で同じような色・形のスーツを着て就職活動を行うのは奇妙です。服装も自己表現のひとつとして自分に合ったものを着られるといいのですが、そう考えられる状況ではないのでしょう。本当に親身になって相談を聞いてくれる「大人」が彼らには必要なはずです。

10社受けるために、一生懸命10枚分の自己PRを書いた学生がいた。結局、どこからも返事が来ずに「自分には無理なのでしょうか」と市原のもとへ相談に来た。市原はその学生に声を掛ける。「心配するな。おまえを必要としてくれる会社は、いくらでもある」。
10枚の自己PRを書いた学生の思いを、受け止めてあげる大人が1人でもいなければ、その学生は行き場を見失ってしまう。会社からは返事をもらえず、親からは「どうなっている?」と聞かれ、要領のいい友人はどんどん内定をもらっていく。情報の“塩漬け”にされたまま身動きがとれず、取り残されていく学生たちに誰が手を差し伸べるのか。

中部大学キャリアセンター職員の市原さんは「おまえを必要としてくれる会社は、いくらでもある」と学生に問いかけます。こんなさりげない一言で学生はどれだけ救われることでしょうか。なかなか自分の希望に見合う会社が見つからず、途方に暮れる学生に対して、精神面でのサポートが必要です。そのためには市原さんが語るように、自らの仕事を天職であると感じられるかどうかが大きなポイントになります。大言壮語を言うのではなく、本当に相手の立場に立った学生支援。市原さんに見習う点は大きいと思います。

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