Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

短大教育の充実化を図るための産学連携

high190です。
大学全入時代・私学冬の時代と呼ばれるようになってからは。短期大学の志願者数が減り続けています。
しかし、社会的な需要はまだまだあります。つまり、2年間という期間でコンパクトかつ質の高い教育が必要になります。

埼玉女子大学はANAと産学連携を実施するための基本合意書を締結し、講師派遣・教材開発など民間活力を大学に持ち込む模様です。

ANAグループのシンクタンクANA総合研究所と埼玉女子短期大学は産学連携を進めることで基本合意に達した。埼玉女子短大の国際コミュニケーション学科にANAグループの人材を活用、航空会社で現場経験を教育の場に活用する。同時に、インターンシップや教材の開発を共同で行う。
ANAグループはこれまで早稲田大学東海大学同志社大学ノースアジア大学京都ノートルダム女子大学などと、航空機技術、操縦士養成、観光学の分野で提携、講師を派遣している。

ANAはこれまでも大学との提携に実績があります。提携を積極的に進めることで、優秀な人材を確保しようということですね。

SAIJOとANAグループのシンクタンクである株式会社ANA総合研究所(所在地:東京都港区、代表取締役社長:浜田健一郎)は、2007年9月20日(木)、産学連携・協力を進めていく基本的な考え方について、基本合意書を締結いたしました。
ANAより国際コミュニケーション学科に専任の講師を派遣し、ANAグループの人材を活用するとともに、航空会社での現場経験をSAIJOの教育の場に生かしていただきます。また、インターンシップの実施や教材の共同開発を行い、社会に求められる人材育成を目指します。

企業の講師を迎えることで、実学志向を強める。もはやこうした動きは特色ある取り組みというよりも、常態化しつつあります。
その中で大学としての教育をいかに行うか、そこが本当は重要なはずですよね。就職実績は大切ですが、学生に勉強させて社会に送り出すということも大学の重要な使命のひとつですし。教育を外注化することでニーズに対応するという方向性はいいですが、大学としての存在価値が揺らいでしまうのではないでしょうかね?学内からの反発なんかもありそうです。(「大学は教員を信用してないのか!という声が聞こえてきそうです」)