Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

blogの効率的活用とは?

high190です。
奈良県では「修学旅行ブログ」なるものを運営しているそうですが、1年間で利用はたったの3校だけだったそうです。
何故、このような結果になってしまったのでしょうか。

減少した修学旅行生を古都に呼び戻そうと、奈良県などが全国に先駆けて設けた「修学旅行ブログ」の利用が、開設後1年でわずか3校にとどまっていることが11日、分かった。若者のブログ人気に目をつけ、生徒各自に書き込んでもらうのがねらいだったが、採用するかどうかは教員次第。ブログを使い慣れない、この世代の心はつかめなかったようだ。肩すかしをくらった県は、ガイドブックなど昔ながらの活字でもアピールする作戦に切り替えた。
修学旅行ブログは、県や市町村、旅館組合などでつくる誘致促進委員会が、昨年9月にスタートした修学旅行コースなどを紹介するホームページ(HP)の中に設けた。都道府県としては初めての試みで、生徒がリアルタイムで携帯電話を使って写真添付や書き込みができるほか、保護者もブログを読むことで子供が元気に旅行しているか確認できるのが特徴。こうしたデータを保存し、後日生徒たちが友だちと旅の思い出を楽しめることも売り物だった。
ところが、この1年間で交通アクセス、宿泊先などが詳しく記されたHPには約5万8000件のアクセスがあったものの、ブログの利用は関東、東海のわずか3校。「教員が学校単位で申し込まなければならない煩雑さのほか、年配の教員にはブログよりも活字の印刷物の方が目にしやすかったのが原因ではないか」(県観光課)という。
県は、今度は詳しい修学旅行コースを掲載したガイドブックなどを新たに作成する方針を決定。デジタルとアナログの両面から修学旅行生を誘致する作戦だ。
奈良はかつて、京都とともに修学旅行先の定番だったが、旅先の多様化や少子化などで減少。奈良市で宿泊する修学旅行生は、昭和40年の約78万人に対し、平成18年はわずか12%の9万6000人に落ち込んでいる。観光の起爆剤として期待される一大イベント「・平城遷都1300年記念事業」も平成22年に開かれることから、関係者は改めて奈良をPRする斬新なアイデアとして、ブログに期待していたという。
県観光課の担当者は「ブログの利用が少ないのは、今までこういうシステムがなく、教員らの目が向かなかったことがあるかもしれない。古都・奈良をじっくりと見てもうため、今後はガイドブックの効果も生かし、地道にアピールしていきたい」と話している。

上記記事を読んだだけではうまくいかなかった理由が分からないので、私も修学旅行ブログをざっと見てみました。
そうしたところ、なるほど理由が分かりました。IDとパスワードを登録しないと利用できない仕組みになっています。blogのメリットは情報発信を簡素かつ集約的に行えることにあります。当然、使いやすいことが成功の絶対条件なのですが、その辺りのポリシーが定まらないまま、プロジェクトが進んでしまったのでしょうかね。
県の観光課としては

「教員が学校単位で申し込まなければならない煩雑さのほか、年配の教員にはブログよりも活字の印刷物の方が目にしやすかったのが原因ではないか」(県観光課)

と言っていますが、本当の問題点には気付いていないのですね。紙媒体では以前と変わらないのではないかと思いますが、どうでしょうか。
この件については、小林啓倫という方もblogで論じています。*1