Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大阪大学は高い研究開発力を武器にしている

high190です。
大学と企業の提携に関して、興味深いニュースがありました。

シャープ、島津製作所日東電工など民間5社と大阪大学は10日、光技術を駆使する次世代の情報技術(IT)機器を今後10年かけて共同開発すると発表した。映像が飛び出して見える立体テレビや一生かけても使い切れない大容量の記憶装置などが候補になる。産学の研究者が10年間もの長期にわたり連携して研究を進めるのは珍しい。
企業では三菱化学科学技術研究センター、IDECも参加する。5社の研究室と技術者が10月ごろをめどに阪大の「フォトニクス先端融合研究センター」(大阪府吹田市)に部屋を確保して入居。一方、阪大からは教員や学生らが兼業の形で企業の研究所に入り、2―4カ月程度で入れ替わりながら特定のテーマに取り組む。
文部科学省が事業を支援し、今年度から3年は国が年約3億円、企業連合が同2億3000万円を拠出する。その後は最大年10億円への拡大を見込む。当面は阪大と各社が個別に研究するが、将来は企業同士の連携に発展する可能性もある。
計画では「実物と見まがうほどの超精細表示装置」や「痛みを感じない医療・診断機器」「環境汚染物質などを高感度に検出するセンサー」なども開発候補に挙がっている。

うーん、なかなかのビッグプロジェクトのようですね。
「一生かけても使い切れない大容量の記憶装置」については、同様の研究を慶應義塾大学でも実施しています。

[過去記事] 記録媒体はバクテリア――「数億年」の保存目指す慶応大学研究チーム(2007/06/15)

理系分野では産学連携が深化してきていますし、これからもこうした取り組みは増えていくでしょうね。日本の大学で開発された技術・製品が、世界的に広がる製品・サービスの基礎となる…今までもたくさんあったことだと思いますが、技術立国日本の底力を感じるニュースでした。