Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学は地域に自然と溶け込んでいる

high190です。
最近、東京都内では大学の都心回帰が進んでいます。(法政大学、中央大学立正大学東洋大学などが有名ですかね)
都心にキャンパスがあるということは、交通の便が良いことをアピールできるため学生募集の面でもプラスになりますし、「都心の大学」という先進的なイメージ作りにも役立つと思います。しかし、その反面、閑静な郊外に所在して地域住民と共生している大学というものにも魅力を感じています。
(正直なところ、どちらにも良い面がありますが、私の性に合っているのは郊外なのかなーと思います)

さて、そんなことに関連しますが、東京大学の多摩農場では地域住民からの反対もあり、移転計画を取りやめることになりました。

東京大学は、東京都西東京市にある東大農場(22・2ヘクタール)の移転計画を取りやめることを決め、8日、移転反対を訴えていた地元の市民団体に伝えた。
農場は平日には一般開放され、水田や畑、ポプラ並木があり、牧歌的な風景が市民の憩いになっていた。
東大によると、2003年に作られたキャンパス再編計画で、千葉市花見川区に所有する運動場(25・6ヘクタール)を廃止し、農場を移転することになった。運動場の隣には緑地植物実験所があり、農場を移して研究機能を集約する計画だった。
しかし、同大で再検討した結果、運動場を農場に変更する際に、土壌改良などで多額の費用と時間がかかることが判明。緑地植物実験所を農場側に移した方が効率的と判断したという。
地元では、市民団体が移転反対を訴え、今年6月、4万6000人分の署名を東大に提出していた。

ちょっと調べてみたんですが、確かに牧歌的でいい雰囲気ですね。

移転に掛かる費用と時間を再検討したところ、移転を実施しない方が効率的との判断に至ったようです。加えて市民団体から4万6千人分の移転反対署名が集まったのも大きかったのかも知れませんね。
大学経営もより効率的に、最適化を求められていますが、公的な役割を担っていることからすると、市民の立場に立った大学運営というのも非常に重要なことだと思います。
舵取りとしては、経営と公共への影響のバランスをいかに取れるのか?ということになります。そういった経営のスペシャリストが必要ですね。