Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

アーティストを大学で養成する?

high190です。
ちょっと前から大学への通勤中、電車の中吊り公告で気になっていたものがありました。

TRF、安室奈美恵などトップアーティストを手がけた音楽プロデューサーの小室哲哉氏(48)が5日、埼玉・川越市尚美学園大学で行われたオープンキャンパスで特別講座を開催した。今年4月から同大学で特任教授を務める小室氏は、受験を控えた高校生ら350人を前に約1時間の熱弁をふるった。来春にも大学発のレーベルを立ち上げるプランも披露し「世界で唯一無二。早めにやったもん勝ち」と、“教授”として意気込みを語った。
これまでにプロデュースしたシングル、アルバムの総売り上げ約1億7000万枚以上―。希代の音楽プロデューサーが新たな挑戦を掲げた。
「ヒットメーカーが語る 時代を創る音楽プロデュース」と題した講義。受験を控える高校生と父母ら350人の拍手に迎えられた小室氏は「生徒たちだけのプロジェクトでアーティストを作っていきたい」と異例の大学レーベル設立を宣言した。
4月に同大芸術情報学部音楽表現学科の特任教授に就任した小室氏。月1回担当する「新世紀音楽概論」の授業で、すでにプロジェクトは進行している。受講生60人に希望を募り、プロデュース、マネジメント、プロモーション…と役割ごとのチームを組織。自身は直接手を加えないスーパーバイザーで「来年4月にも(アーティストを)デビューさせたい。早めにやったもん勝ち」と強い決意を語った。
遊びではない。小室氏の目は本気だ。普段の授業は朝9時の1限から90分間を2限連続で行う。業界トップランナーにはあり得ない朝の早さに、同学関係者は「生徒と同じスタートで、責任を持って仕事したい」と小室氏側から申し入れがあったと明かす。この日も午前に同市内の別のキャンパスで授業を終えて、会場に直行。授業を聞いた生徒たちも先生の後を追い、駆けつけた。
「意外とまじめにやってます。印税の計算とかどこのレコード会社、プロダクションが強いかとか。ストレス解消と言えば失礼だけど、普段言えない話もしています」と小室教授。音楽業界に就職を目指す学生に「僕の授業を受けてると履歴書に書いた方がいい」とアドバイスも惜しまない。
音楽業界の不況も憂う小室氏は「つまらない二極化、トップ3の業界になっている。コンテンツはいろいろな個性がある方がいい。せめてその役に立てる人材が(授業から)育ってほしい」。眠っていたヒットメーカーの次なる手が、どうなるか注目される。

小室哲哉氏と言えば、一世を風靡した音楽プロデューサーとして有名ですね。
ちなみにWikipediaの項目にはこんなことが書いてありました。

小室哲哉がこれまでにプロデュースしたシングル・アルバムの総売上枚数は、約1億7000万枚に達する。

現在の日本の総人口が約1億2000万人ですから、それよりも多い枚数を売り上げたことになります。単純に、上記枚数でシングルのみ(1,000円)を売り上げたと仮定して計算すると、何と!1,000億円になります。

その小室哲哉氏が大学からアーティストをデビューさせるとのこと。しかし、最近ではあまりトレンドに関わっていないことも事実ですし、そうした背景から今回の提携が生まれたのも事実なのではないでしょうか。もし、実現したら注目を集めるでしょうし、それを目当てにオープンキャンパスに参加する学生も増えるかもしれません。
非常に目を引く「広告塔」ではありますが、目に見える結果を出せるのかが鍵になりそうです。
(個人的には小室氏のコネクションを活かして、大学側はどういった方向性に持っていきたいのか気になります)