Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

依然厳しい私立大学の経営

high190です。
今日から8月ですね!本学の学生たちも楽しい夏休みを謳歌していることと思います。
ただ、夏は水難事故や熱中症などレジャーに行く機会が増えるだけ危険も増します。そうした危険に対する注意と準備を欠かさず、有意義な休みになったらいいなあと思っています。

さて、話を大学経営に戻すとちょっと重い感じのニュースが出ていました。

今春の2007年度入試で定員割れした4年制私立大学は221校で、過去最多だった前年度と同数だったことが31日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。定員割れの割合は39.5%で前年度を0.7ポイント下回ったが、なお高水準。私大経営は厳しい状態が続いている。
調査は全国の私大559校を対象に実施。定員割れの学校は06年度まで4年連続で増え、同年度に初めて200校の大台に乗った。同事業団は「受験生がブランド力のある有名大に集中し、二極化が進んでいる」と分析している。

全国の私立大学で、今春の入学者数が入学定員を下回る「定員割れ」になったのは、過去最多だった昨年と同じ二百二十一校にのぼったことが三十一日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。定員割れの割合は昨年より0・7ポイント減の39・5%。道内は二十四校中十一校で、昨年と同じ46%だった。
調査は私大のほぼ全校に当たる五百五十九校が対象。入学者が定員の70%に満たない大学は七十三校あり、最も低い大学は16%だった。
また、大学の所在地別にみた志願倍率は、大都市で高い傾向が表れ、東京が9・8倍、京都・大阪が8・6倍、京都と大阪を除く近畿地区が7・9倍と昨年よりも伸びた。一方、北関東が3・0倍、四国が2・6倍、道内が3・1倍といずれも昨年より下落。道内は入学定員充足率も98%にとどまり、都市部と地方の二極化がいっそう顕著となった形だ。
同事業団によると、一校当たりの入学定員が三千人以上の大規模な大学は、学部再編による入試日程の拡大や地方会場での入試開催で、昨年よりも志願者数を十二万千人も増やした。同事業団は「(地方開催で)北海道や東北は、受験者の草刈り場のような状況になった」とみている。
調査では、四年制私大の入学定員は四十四万五千人と昨年より四千七百人増加。入学者数も一万三千人増え、四十八万五千人となった。

上記記事にもあるように、やはり年々私立大学を取り巻く環境は厳しさを増しています。
よく言われるような「二極化傾向」は、地域間格差と学力間格差とでも言えるでしょうか。東京などの大都市部では、志願倍率も一定の値をキープしていますが、その中でも二極化が進んでいます。

そんな中で私大の入学定員は増加しているのだから、競争に拍車がかかるのは当然のことですね。生き残りをかけた熾烈な争いは今後も続いていくことは間違いないので、その中でいかに生き残るか。大学はサバイバルゲームの様相を呈しています。