Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学のUI(University Identity)活用戦略

high190です。
本学では6/1からクールビズを実施しています。
「夏期軽装」を日本全体で取り組もうという政府方針ですから、私も全力?で取り組んでいますし、もっと積極的に推進できたらなと思います。
(ただし、職員からの受けはいまいちなところがあります。実施する方針が決まったのだから、思いっきり楽しめばいいのにと思う私は変わり者でしょうか)

さて、今日のテーマは大学のUI戦略についてです。

(中略)
早大のUIは何をめざしているのか。
少子高齢化時代の厳しさを迎えた大学の勝ち残りのためのイメージチェンジによるブランディング戦略」と村上課長はこう狙いを語る。
「これからのグローバル時代に通用する地球市民を育成するためにはこれまでの『在野精神』『バンカラ』は通用しない」と建学の精神にまで言及。卒業生や在校生などからは物議を醸しそうだが、「在野精神は体の中に流れている。世界を相手にするにはスマートさが必要」として、「インタビューボードはスマートさを示す」と位置づける。
「建学の精神を否定したわけではない。インタビューボードには、校章やスクールカラーを配するなど大学の歴史はしっかりと表現されている」(村上課長)
今後について「志願者はこれまで大学を偏差値を基準に選んでいた。校風に魅力を感じて入学するわけではなかった。しかしこれからは少子高齢化を迎え、大学全入時代になるため、志願者がじっくりと選ぶことができる。今後は校風に賛同できる人にきてほしい」と新たなブランドを構築して勝ち残りを目指す。

■東大、慶大も導入

早大だけでなく、慶大や東大でもユニバーシティーアイデンティティーの導入を進めている。慶大は150周年の基本テーマ「未来への先導」と基本コンセプト「『独立』と『協生』の2つの焦点を持つ開かれた学塾」を制定。記念事業準備委員会が基本テーマと基本コンセプトを表現したロゴマークを制定し、さまざまな記念行事を展開していく。
東大も130周年記念事業とともに、「新しい知」を発見し続ける力と、「新たな才能」をはぐくみ続ける力を「未来的な、知的な生命体」として表現したシンボルマークを定めた。
選ばれる時代を迎えた大学は、スクールカラーを明確にして魅力を発信しようと取り組んでいる。UIという言葉はまだ世間になじみはないが、今後全国の大学がUIを導入するとともに定着していくことだろう。

ちなみに「University Identity」という言葉をググるとこんなリンクが見つかります。

このように大学のブランディング戦略としてUIを活用している大学が増えています。
日本の大学は古くからの歴史を持つものが少なくありません。創立時の世相と現在の世相では、大きな違いがあることから、学生には、建学の精神を維持しつつ現代的なイメージを与えるものが必要だと思います。

明治学院大学は、著名なアートディレクターである佐藤可士和氏に依頼し、全学的なブランディング・プロジェクトを実施しました。
(大学プロデューサーズ・ノートに詳細が記載されています)

印象に残るUIは、大学にとって広告戦略上、大きな武器となり得ます。各大学が同様の取り組みをする中で、いかに独自性を出していけるのでしょうか。私は明治学院大のような、外部の力をうまく使ったUI戦略が最も成功の近道ではないかと思います。
これからは、メディアで様々な大学のロゴを目にすることになるかも知れませんね。

【2007/06/18 追記】