Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

飯田市と和歌山大、交流協定 観光で地域再生テーマに

high190です。
最近の大学業界でのトレンドになりつつある観光学ですが、またも行政と大学の交流協定が結ばれることになりました。

飯田市は7日、和歌山大(和歌山市)と観光資源の発掘や研究、人材育成などで協力する友好交流協定を結んだ。和歌山大は2008年度から、国立大学法人として初めて観光学部を設置する予定。観光による地域再生をテーマに、飯田市内での現地講座の開講や学生によるフィールドワークを行う考えだ。
和歌山大は本年度から経済学部に観光学科を設置。08年度に学部への昇格を文部科学省に申請している。飯田市の牧野光朗市長と旧知の教授が同大に在籍していたことをきっかけに昨年10月、小田章学長が市を訪問。先進的とされるグリーンツーリズムなどの現地調査を経て協定締結が決まった。
飯田市の大学との連携協定は4件目で、和歌山大の自治体・広域圏との協定は5件目。市内の竜東地域に2カ所の宿泊拠点を準備し、観光学部で募集する学生130人全員が夏休みなどを利用して訪問する予定だ。市は、観光学ゼミや市民講座の開講、観光ツアーの開発、遊休農地の再生活動などの取り組みを提案している。
この日、市役所で開いた協定締結式に出席した牧野市長は「観光で地域再生するというテーマは、飯田市の方向性と一致する。お互いに得るものがある関係にしていきたい」と期待。小田学長は「新しい地域づくりの先進モデルをつくれるよう取り組みたい」と話していた。

観光での地域再生ということは、昔から各自治体が取り組んできたことです。そこに大学の知識を持ち込んで、新しい地域づくりを模索するという取り組みは全国各地で広まりつつあります。
と同時に国内旅行者のパイは決まっているので、限られたパイの奪い合いが起こることは必至です。政府のアジア・ゲートウェイ構想では、「アジアの人々が行きたいと思う国作り」が提唱されていますので、国外からの需要を如何にして喚起するかということも大切な視点になると思います。和歌山大学国立大学法人として最初の観光学部設置を文部科学省に申請していますので、他大学のロールモデルとなる画期的なアイデアが出ると良いですね。