Clear Consideration(大学職員の教育分析)

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180万種掲載のオンライン生物図鑑プロジェクトが始動

high190です。
アメリカでオンライン生物図鑑のプロジェクトが始動しました。
プロジェクトは、ハーバード大学米国フィールド博物館、海洋生物学研究所、ミズーリ植物園、スミソニアン研究所、生物多様性遺産ライブラリー(英国自然史博物館などを含む団体)、ニューヨーク植物園、英国王立植物園などの団体が主導して行われるそうです。

リンゴ(Apple)からシマウマ(Zebra)まで、既知の動植物全180万種を掲載するインターネットベースの生物図鑑『Encyclopedia of Life』が、総予算1億ドルのプロジェクトで作成される。科学者らが5月8日に発表した。
米国の2つの財団からの援助金1250万ドルを当初予算として、10年計画で作成が開始されたEncyclopedia of Lifeは、生物学の宿題をする子供から、絶滅危惧(きぐ)種の保護を計画する政府機関まで、広く役立つことが期待される。
「Encyclopedia of Lifeでは、名前があるすべての種について項目を設ける計画だ」と、多くの主要研究機関が参加するこのプロジェクトのエグゼクティブディレクター、ジェームズ・エドワーズ氏はReutersに語った。「現時点の項目数は180万だ」
Encyclopedia of Lifeは無料で公開され、主に動物、植物、菌類が取り上げられるほか、追って微生物もカバーされる。各項目のページはそれぞれテキスト、写真、地図、ビデオが共通のフォーマットでレイアウトされる。近年のインターネットの発展がこのマルチメディアプロジェクトを可能にした。
デモページには、ホッキョクグマ、イネ、タマゴテングタケや、最近南太平洋で見つかった、毛で覆われたはさみ脚を持つ「yeti crab(雪男ガニ)」のページが掲載されている。
「このプロジェクトの趣旨は、すべての人がこうした情報にアクセスできるようにすることにある」と、プロジェクトの代表でロックフェラー大学所属のジェシー・オースベル氏はReutersに語った。
Encyclopedia of Lifeでは、哺乳類や魚、鳥、両生類、植物に関する既存のデータベースの内容が利用される。当初は英語が使われるが、ほかの言語にも翻訳される予定だ。
エドワーズ氏はこのプロジェクトについて、地球上の生物を、科学者が一般に使う顕微鏡とは逆の「巨視鏡」(同氏)からとらえた姿の概要を紹介するものだと説明した
新しい種が発見された場合は、Encyclopedia of Lifeに順次追加される。エドワーズ氏は、地球上の種の数は800万〜1000万と考えられそうだが、さまざまな推計がなされており、その数字は500万〜1億と非常に幅があると語った。また、Encyclopedia of Lifeには化石も取り上げられる可能性がある。
Encyclopedia of Lifeは、25〜35人程度で運営される予定だが、環境汚染、生息地破壊、地球温暖化といった生物に対する脅威を図示した地図を作るのに役立つかもしれない。
このプロジェクトでは、ハーバード大学米国フィールド博物館、海洋生物学研究所、ミズーリ植物園、スミソニアン研究所、生物多様性遺産ライブラリー(英国自然史博物館などを含む団体)、ニューヨーク植物園、英国王立植物園が主導的役割を果たすことになっている。
当初の活動資金1250万ドルの内訳は、ジョン・D・キャサリン・T・マッカーサー財団からの援助金1000万ドルと、アルフレッド・P・スローン財団からの同250万ドル。
今後数年の間に追加資金調達が行われる予定だ。
オースベル氏は、2007年が、生物分類体系を考案して大きな影響を残したスウェーデン博物学者カール・リンネの生誕300年であることに言及した。「もし彼が今日生きていたら、小躍りして喜んでくれると思う」

私も小さい頃によく図鑑を読んでいましたが、あまりにも分厚い本では全部読むのがとても大変なんですよね。
オンラインでの百科事典を電子化するプロジェクトとして有名なものとしてWikipediaがあります。あれの良さは誰でも編集できることにありますが、「Encyclopedia of Life」ではどうなんでしょうね?
日本でも理科教育の再考・推進が行われてきていますが、こうしたプロジェクトを活用することで理科への関心を呼ぶような取り組みがあってもいいんじゃないでしょうか。