Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

野村証券と立命館大、高校生向け金融教育で連携

high190です。
最近、金融経済教育という言葉が聞かれるようになりました。私自身が初等・中等教育で学んできた内容を振り返ると、消費者教育の概略を「生活」の授業で習ったぐらいで、具体的な内容にまで踏み込んだものはなかったように思います。
(注 今から10年ぐらい前のことです)

しかし、オンラインショッピングや電子マネーの普及により、日々の生活の中で新しい商慣行と関わることはますます増えているように思います。日本ではそうした教育が欧米と比較して、あまり進んでいないとされています。具体的には、「現行の学習指導要領や学校の体制では教えられる人材や教材がない」ということなのではないでしょうか。

立命館大学野村証券は高校生向け金融教育に関して、2年間のプロジェクト運営で相互連携し、研究成果についても公表予定とのことです。

野村証券立命館大学は株式市場の仕組みをはじめ、高校生向けの金融・ファイナンス教育で連携する。両者が中心になって専門組織をつくり、高校の金融教育の実態を調査したり、使いやすい教材を作ったりするのが柱。日本の金融教育は欧米に遅れており、「高校生に専門知識を学ぶ動機付けをし、意欲のある学生に進学してもらいたい」(立命館大)という。
野村と立命館大は連携のため、2年間の計画でプロジェクトを運営する協定を結んだ。1年目は高校の教育内容や教材の調査・分析、研究会を通じた高校教員とのパイプづくりなどに取り組む。2年目は立命館大の付属高校などで実際に授業をし、研究の成果も公表する予定。

立命館大学は近年、付属校の増設や系列校の拡大を図ってきていますが、そうした戦略によるスケールメリットがこのような提携で現れてきているのでしょう。中高と大学を設置している学校法人は多くありますが、高大連携によって教育効果を高めるということをあまりうまくできていないのではないでしょうか。私見ですが、私立学校の場合、内部進学制度を長期的な学習プランを策定することができますので、もっと立命館大学のような取り組みが増えてきてもよいのではないかと考えます。