Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学の卒業式をインターネットでライブ配信

大学時代、一人暮らしをしていたhigh190です。
一人で暮らすようになってから色々なことを覚えました。住民票の転居手続き・電話回線の申し込み・公共料金の使用申し込みと料金支払いなどなど。どれも当たり前にできることなのですが、いざ一人でやると結構大変だったりします。

さて、私の入学・卒業式には親がわざわざ出席するために地方から仕事を休んで出てきていました。他にも地方出身者の親御さんは結構出席していたのを覚えています。

ただ、息子・娘の晴れ姿を見ようと思っても現実には仕事の都合でどうしても参加できない人も多くいるはずです。そういった悩みを解決すべく、早稲田大学ではこんな取り組みをしていたようです。

クラビットとサンストリームは共同で、3月25日(日)に行われた2006年度 早稲田大学 卒業式・大学院学位授与式(第2回)の模様を、動画圧縮規格「H.264」方式を用い、インターネットにてライブ配信を行った。
今回のライブ配信は、動画圧縮規格H.264方式を用いることにより、デジタル放送クラスの高画質な動画配信を実現したもの。また、配信にあたり、当日卒業式に参加できない卒業生の家族や国内外で卒業を迎える人間科学部eスクール卒業生など多数の視聴を想定し、大学の卒業式ライブ配信としては国内最大級の規模となるよう設定されたとのこと。
クラビットは大規模かつ安定配信を支えるネットワーク・インフラを、サンストリームは自社のACQULIA(アクリア) LIVEによるリアルタイム・エンコーディング(符号化)技術およびストリーミング・サーバ技術を、それぞれ担当した。

早稲田大学ほどの規模になると、卒業式に出席する人数も相当な数になります。さらにその家族・・・となるとかなりの人数が卒業式に関係することになります。そうすると上記のような「どうしても都合が悪くて参加できない」人もたくさん出てきます。
また、e-learningで大学に通っていた人がリアルタイムで卒業を迎えられるというメリットもあるのですね。つい先日開学したサイバー大学でも卒業式をウェブ配信したりするのでしょうか。

このニュースを裏付ける記事があります。大学の入学式に関する記事ですが、実態は卒業式でも同じでしょうね。

入学式シーズン真っ盛り。「私立大学に入学する息子が、照れくさいから親に来てほしくないと言います。どう思いますか?」という母親からのトピックです。
子供と親、それぞれからの意見がありましたが、「参加する父母は多いし、ぜひ参加すべし」という容認派が73%もいる一方、「親と一緒だと恥ずかしいので来ないでほしい」「過保護だから行かない」という否定派も12%いました。その他「どちらでもよい」「来てほしくなかったけど来てしまった」という声も。
近ごろは入社式にも親がついてくるのが珍しくなくなっています。子供がいくつになっても晴れ姿を見たいというのが親心かもしれません。

容認派は全体の73%だそうです。この数字が多いのか少ないのかの判断は難しいところですが・・・
個人的にはだいぶ多いなぁと感じます。こうした「親心」への配慮についても、今後は大学で考えなくてはなりません。これも経営サービスの一環になるものです。全部準備して至れり尽くせり、というのが今後多くの大学で見られる光景になりそうですね。それが大学の「在るべき姿」とはちょっと違うような気もしますが。