Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

私立大学で企業との提携が続々と

high190です。
最近の大学でのトレンドになりつつある戦略的提携ですが、早稲田大学では不動産に関する研究所を新規に設立します。
提携先はMIT、清華大学と海外の一流大学です。

早稲田大学は4月、不動産取引データを収集、分析する「国際不動産研究所」を設立する。大学が不動産の研究機関を設立するのは初めて。米マサチューセッツ工科大学(MIT)や中国の清華大学などと提携して国際的なデータを比較する。調査・研究した成果は不動産政策に関する提言などにまとめる。

不動産に関する研究機関を持つMITや清華大、国立シンガポール大学と提携し、海外と国内の不動産取引価格のデータを比較研究する。

不動産に関する研究機関を大学が設立するのは始めてのことなんですね。
千葉にある明海大学では不動産学部を設置していますが、これも日本でただひとつの学部だそうです。

調査・研究した成果は不動産政策に関する提言などにまとめる。

とありますが、具体的にはどのように提言を行っていくのでしょうか。日本で大学が設置する唯一の研究所になりますので、その政策提言には興味が湧きます。

次は青山学院大学会計専門職大学院のニュースです。

青山学院大学の会計専門職大学院、会計プロフェッション研究科は東京税理士会など関東地区の四つの税理士会と提携して、4月から会計参与向けに中小企業向けの会計などを盛り込んだ特別講座を開始する。

講座名は「会計参与特別講座」(仮称)。会社法の施行で始まった中小企業向けの新たな役員制度である会計参与に就任する関東地区の税理士を対象にしている。

講座は24回で期間は1年間。会計参与に必要な中小企業会計指針、会社法の要点、会計監査、財務分析などを大学院の専任教授が指導する。最終的に課題論文の提出を経て修了すると、同研究科における単位が認定される。

同研究科は今後も公認会計士や税理士といったすでに実践の場にいる専門家を対象にした講座も拡充する考えだ。

会社法の改正に伴う「会計参与」には税理士資格を持つ人が就任できるようですが、そのための講座なんですね。これはまさに専門職大学院で扱うべきものですから、講義の内容も実務的なものになるでしょう。

最近では国立大学法人、私立大学に関わらず企業と提携する大学が増えています。これもより強固な競争力を付けるための改革努力と考えられます。取り上げられる大学は有名大学がほとんどですが、今後は大学の名前は知られていなくとも独自の取り組みで注目される大学が出てこないか期待しています。