読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

日本私立大学協会・附置私学高等教育研究所第60回公開研究会「学生調査とIR」に参加してきました

Diary IR Staff Development

最近参加した外部研修のほとんどがIRに偏ってる気がするhigh190です。
さて、今回は日本私立大学協会・附置私学高等教育研究所が主催する公開研究会に参加してきました。この研究会には過去にも2度ほど参加させていただいて、いい勉強になりましたので、今回も参加するのが楽しみでした。*1 *2
※2015/04/14追記 当日の配付資料がWEB公開されたので、あわせてお知らせします。*3


大学の果たすべき役割に対する社会の期待はますます大きくなっており、このため、近年大学のガバナンス改革の進展と教学マネジメントの一層の改善・充実が強く求められるようになってきています。そのためには、データにもとづく意思決定が不可欠になっており、こうした高等教育の現状を反映して、IRの必要性が指摘され、多くの大学がIR部門を設置するようになってきています。
今回の公開研究会では、2013年に本研究所のプロジェクトの一環として実施した「全国私立大学IR調査」の結果をご報告すると同時に、データ志向の教学マネジメントの有効性が認識されている現在、教学マネジメントの用い得るデータの主要な役割を担うツールとしての学生調査の新たな展開について、その内容と可能性について様々な角度から提示する予定です。
どうかご関心をお持ちの多数の方々のご参加をお待ちしています。

さて、今回のテーマになっている「学生調査とIR」ですが、ここでの学生調査が何を意味しているかが重要なポイントになると思います。具体的にはアメリカで実施されているNSSEやCIRPなどの調査が該当すると思いますが、それらの調査を参考にして設問が作られたJCIRPについての話を聞けること、JCIRPと大学IRコンソーシアムのことなどが聞ける事を期待していました。それでは順を追ってご覧下さい。

挨 拶・司 会 瀧澤 博三(私学高等教育研究所 主幹)

今日のテーマは「学生調査とIR」。既にたくさんの提言がなされているが、大学人の中にどのように定着しているかはまだまだではないか。IR担当の部署なども含めて設置はされているが、単体の大学ではなく、コンソーシアム形式で協力実施されているのは興味深い実例である。まず昨年度に実施した「全国私立大学IR調査結果」の報告を行う。
次に同志社の山田教授が中心に進めてきた「JCIRP」の概要、この調査によって何が分かるのか、またデータベースをどのように活用できるかなどについてのコメントをいただく予定である。

    

1.「全国私立大学IR調査結果について」
沖 清豪 氏(早稲田大学 文学学術院 教授)

  • 報告の趣旨:私立大学に置けるIRの取り組みの現状を把握し、今後の課題を確認する
    • IR調査については私立大学の理事長宛に実施した。元々、早稲田大学私高研の調査をベースにして実施。分析にあたって設置年4類型と大学規模4類型で整理。
      • 「必要性を認識している」との回答は過半数を超えている。理事長のIRに対する認識が高ければ高い程、必要性を高く認識する傾向にある。
      • 設置状況については、これから設置予定であるとのことを踏まえると半々ぐらいである。これは2007年の調査から見ても増えてはいるが、まだまだ。
      • また、担当者の設置状況については、30.5%となっている。一番多いのは常勤(専従)職員である。また、設置年別で見ると歴史のある大学は常勤専従比率が高いが、歴史の浅い大学だと常勤専従比率は20%程度で低くなる。これは規模別に見るとここまでクリアに出る結果ではなく、設置年別で見た場合にここまでクリアに出る。
      • 機能別IR組織の貢献状況を見ると、データの提供は9割程度ができている。データの分析については7割強、改善策の提案については7割弱が貢献できているとの回答になっている。継続している大学では経験の蓄積がある?
      • データウェアハウスの設置予定は、半数弱は既に設置している。設置できない理由の一番は「管理できる人材がいない」が7割強、予算の不足が5割強となっている。
    • アウトカム指標として「学生の大学への貢献度」をほとんどの大学が重視している。しかし、使えているところとそうでないところの差が大きい可能性。
    • 過去10年でどの程度教育改善したか?という設問については、設置年別に見てもそれほど差はない。管理運営面で見ると歴史のある大学で高い改善実感が見られる。このうちIR組織を置いている大学については、改革に熱心な大学で一定の改善が図られていると考えられる。管理運営面ではそれほど大きな差は見られない。
    • IRの必要性についての認識については、教育面と管理運営面のいずれに視点を当てるかで変わってくる。*4課題別のIR組織関与状況については、IR組織があったとして、単体で実施しているところはほとんどなく、IR組織が中心になって進めているところが多い事が分かる。特に認証評価対応の比重が大きい。卒業生に関する調査分析と教職員の仕事量に関する調査は取り組んでいるところが少ない。
  • 学生生活調査の活用状況
    • 大規模大学・小規模大学で大いに活用しているとの値が出ている。逆に中規模大学ではあまり活用されていない。地域別に見ると関東では値が低くあまり活用されていない。(これは東京の私大はまだ学生生活調査をやらなくても生き残れると思っているようにも感じられる)関西の値が高い。
  • 知見の整理
    • IRの認知度が高いほど重要性の認識が高くなる。
    • IR組織の設置状況・予定は2008年調査より高くなっているが、依然として半数は設置予定なし。設置している大学では過去10年で教育機能が改善したという評価(管理運営機能よりも)。
    • IR担当者が置かれているのは約3割の大学で、職員中心。
    • 情報提供・機能については2008年調査より評価が高くなっている。
    • 学生の満足度をアウトカムの指標に使用とする大学は多いが、データの活用は検討の余地あり。
    • 課題別ではIR組織が主として関与している領域は限定的。一方でIR機能は活用度が高い。→機能としてのIRは定着
    • 他大学との比較は他の課題よりも実施・活用状況が低い。→ベンチマークが課題
    • 従来の調査と比較して、規模・設立年度別の差が減少。→伝統大学・新設大学、規模によるIR機能活用の差から、個別大学の経営方針による活用の差へ?
    • 一方で学生生活調査の活用については設置年度、規模の差がみられる。→学生調査の実施可能性、分析・活用可能性の差?
  • 質疑応答
    • 調査した大学のうち、中小規模の大学の定員などを差し支えなければ教えてもらいたい。
      • 総定員別で見ると、最も小さい大学は700名、その次が1600名、その次は3000名という数字だった。
    • 管理運営の改善状況で、IR設置済と設置予定ではあまり差がない。よって管理運営の面でIRがどう効いているのかが読み取れない。IRのIはIntelligenceであるということを今後のIRの方向性として教学と管理運営のどちらに主眼を置くかということが重要ではないのか。
      • 今回は詳細にその部分に入っていけなかったが、今後の課題とさせていただきたい。

2.「ジェイ・サープ学生調査の新たな展開」
山田 礼子 氏(同志社大学 社会学部 教授)

  • JCIRPは学生調査のみを示すが、教学IRツールとしての活用を目指していく方向性の話をしたい。
  • 教育の質保証のために何をすべきか。
    • 高等教育政策で主要になっているのは質保証と学習成果志向
    • PIRS(Postsecondary Institutional Ratings System)*5が2015年度からスタートする予定で、卒業後の年収なども含めて追い続けるデータベースが稼働する。
  • 質保証の一環としてデータの活用
    • 新入生調査で高校までの学修行動を把握。その上で大学生調査で学習成果の把握を行う。
  • JCIRPの開発経緯
    • アメリカの調査との相互互換性を重視した。日本国内の学生調査はドメスティックな部分にとどまっているので、国際評価が出来るような形の調査を目指した。アメリカのCSS*6,CFS*7調査を踏まえて、日本の大学生の実態を反映させ独自に改良してきた。
  • 継続データからの示唆
    • 2005年から2010年までの日本国内に限ったラーニングアウトカムの自己評価を見ると、学士力に関連した部分は着実に増加している。
  • 国際比較の必要性
    • 例えば韓国では学習支援センターのようなものがほとんどの大学で設置され、研究成果の測定も行われている。日韓の正課外でのエンゲージメントを見ると、韓国の場合はプレッシャーにさらされる経験を持つ学生が日本よりも多い。そういう点も国際比較によって分かる部分である。
  • 成果から次へのステップへ
    • 項目の有効性と妥当性の検証が重要
    • JCIRP(Japanese Cooperative Institutional Research Program)からJSAAP(Joint Student Achievement Assessing Project)に移行

3.「ジェイ・サープ学生調査から何がわかるか?」
杉谷 祐美子 氏(青山学院大学 教育人間科学部 准教授)

  • ジェイ・サープは「有限責任事業組合ジェイ・サープ研究会」を設立し、2015年より本格的に事業化する。
  • JCIRPの各大学の利用実態とニーズ
    • 参加大学が知りたかった事
      • 大学教育や学習支援に関する満足度
      • 学生の知識と技能の修得状況
      • 学生の入学後の経験や活動状況
      • 入学動機などのアドミッション情報
    • 比較分析のニーズ
      • 同一名称、類似学部との比較
      • 自大学の経年比較
      • 自大学と全体の比較
    • フィードバックへのニーズ
  • JSAAP
    • 入学直後に新入生調査(JFS)を回答し、毎年度に大学生調査(JCSS)に回答してもらう
  • 新入生調査(JFS)の調査項目〜暫定版〜
    • 属性
    • 高校種別
    • 高校時代の成績
    • 入学前の履歴
    • 受験の決定時期・受験校数
    • 志望順位
    • 入試形態
    • 進学理由
    • 住居・通学
    • 学費
    • 保護者の関与
    • 入学前教育
    • 到達希望学
    • 専門分野
    • 高校3年次の1週間あたりの活動時間
    • 高校3年次の学修行動・経験
    • 獲得したい能力やスキル
    • 大学の授業への期待
    • 留学希望
    • 卒業後の進路意識
    • 家族
    • 再入学可能性
    • 学籍番号
  • 大学生調査(JCSS)の調査項目〜暫定版〜
    • 属性
    • 高校種別
    • 高校時代の成績
    • 志望順位
    • 入試形態
    • 住居・通学
    • 学費・奨学金
    • 入学前の履歴
    • 留学の経験
    • 専門分野
    • 大学満足度
    • 入学後の経験状況・頻度
    • 授業内容・形態
    • 大学での1週間あたりの活動時間
    • 大学教員の学習における関与
    • 能力やスキルの変化(自己評価)
    • 大学の成績
    • 学歴到達希望
    • キャリアにおける成熟度・適応度
    • 就職活動の状況
    • 家族
    • 学生生活充実度
    • 再入学可能性
    • 学籍番号
  • 調査結果のフィードバック
    • ローデータ
    • 基礎集計グラフ
    • 基本分析報告書:全国データとの比較や経年比較から見た各大学の特徴・傾向等の分析
  • 個別大学における更なる深い分析例
    • アクレディテーション対策から大学教育改革に繋げる
      • A大学のケース
        • 数理的能力、他の人と協力して物事を遂行する機会が伸びている。
      • B大学のケース
        • 入学後の能力変化(批判的に考える能力、リーダーシップの能力)に若干の伸び悩み。この状況を踏まえて専門教育に力を入れるなどの対策
    • マーケティングに向けてのデータ活用
      • 志望事由と進学別順位の差異
      • 校風なども含めてどういう学生募集をしていくか?という点でのヒントになる
    • 個別学生の特定と支援(退学予防を視野に入れた対策)
      • リスク学生予備軍の発見と早期予防
      • 経験頻度や活動時間の調査項目からリスク要因のある学生サポートに繋げていく

4.「ジェイ・サープ学生調査データベースの活用方法」
木村 拓也 氏(九州大学 基幹教育院 准教授)

  • ジェイサープ学生調査データベースの活用方法
    • ジェイサープDBのデモを中心にデータベースの活用をご紹介する
  • 開発経緯とコンセプト
    • アドミッションセンターでオープンキャンパスなどのデータをグラフ化するなどの対応をしていたが、膨大なデータがあってもそれをグラフ化するだけでも結構な手間がかかる。それを簡素化することを目的に始めた活動である。
  • ニーズ調査をベースにデータの活用実態
    • データの分析などについて対応していないケースもたくさんあった。
  • データの分析環境
    • 多くの大学機関では、学生データを処理できる人員をあまり配置できていない
  • データの活用場面
    • 学内の委員会等で検討するのが一番多い。そのニーズに対応する事
  • オンラインサービスのニーズ
    • 複雑な統計のニーズよりも「単純集計」「グラフ作成」ができればいいという声が半数程度ある。
  • ニーズ調査の結果
    • 単純集計表を見ただけに留まっている
    • 統計処理を行うスタッフが現状では少ない
    • 学内委員会で検討する
    • オンラインサービスの必要性を感じる
    • そこまで難しい機能は必要ない
    • 焦点化したデータベース設計の必要性
    • 学内委員会を想定して、単純集計より少し情報量の多い、統計に不慣れな会議参加者でも一目瞭然で分かるようなインターフェイスの必要性が浮かび上がる
  • 米国での潮流とジェイサープDBのコンセプト*8
    • 最近では簡素化された複数の成果指標を一覧化した計器盤(Dashboard)が普及してきた。*9その目的は、「大学の上層部や理事会が容易に自校の状況を把握し、判断するため」(本田2011)であり、グラフ描画機能のみに特化した、複雑な統計機能を付与しないシンプルなデータベースを設計方針とした。
  • ジェイサープDBのデモ(())
    • 使用しているデータ:これまでJCIRPに参加していた大学の全データ。使用部署毎(アドミッション、教務、キャリア)に必要なレポートをエクスポートできるようにしている。
    • WEB上で設問毎にグラフ表示。画面自体を1枚のPDFに収める形で印刷できるようになっており、報告書等に使いやすい形のデータ提供プラットフォームとしている。

質疑・討論  コメンテーター
森 利枝 氏(独立行政法人大学評価・学位授与機構 研究開発部 准教授)

  • 最後の木村先生からの発表部分について「再入学可能性」について。もう一度、この大学に入学したいかを問う質問。各大学で再入学可能性を問うた場合に、自学の結果が気になる人は多いと思う。
  • 学生調査がIRの全てではない。あくまでも一部かつ重要な指標が学生調査である。
  • IRの目的とは何なのか?という点。
    • その業務を専従で行う部署があるならばIR Officeである。しかし、そういった部署を置いているのは日本の大学は30%程度である。その他の70%にもあるように、日本では部署間で機能分担を行っているというところが現状ではないか。
    • データは集めないといけないが、集めた数値を意味のある情報に転換するための英知(Intelligence)が必要である。
    • アメリカのIRでは執行部に情報を提供することが主たるタスクである。その部分でIR Officeの提供するデータを読み解く執行部のIntelligenceが重要である。アメリカのIR Officeが役立っている点としては、学習成果の改善に直接的に役立っているとの調査結果もある。
    • 学生調査は教学・経営の両面に活かしうるデータを収集できる可能性を秘めている。
  • 質疑応答
    • 学生調査に関して
      • 大学IRコンソーシアムでも学生調査を実施しているが、その調査のデータベースとJCIRPのデータベースの関係性・可能性についての意見を伺いたい。
        • 大学IRコンソーシアムの場合、学生調査のデータは使うが、その後に個別の大学の単位修得率等のデータを放り込んで、システムを通じて結びつける特殊性を持っている。JCIRPは学生調査のみを活用しており、参加機関も毎回異なる可能性があるなど、大学・学部単位でできるようになっている。
      • ジェイ・サープのことを詳しく知りたい人はどうすればいいのか?
        • 来年から稼働する新しいコンセプトのジェイサープは検索エンジンで調べる事はできる。申込は今年度の3月からスタート。
      • ジェイ・サープの調査票自体を見る事は可能か?
        • 今現在、調査の項目を策定しており、これからさらに詰める。
      • 質問項目は分かるか?という質問があったが、「質問が意図する意味」を各大学に情報提供など行ってもらえるのか?
        • 非常に重要な指摘なので、是非対応できるようにしたい。
    • IR担当者に求められる能力に関して
      • 意味あるデータに転換するために必要なスキルはどうか。また素人でもできるのかどうか。
        • ある程度、統計を読む力は必要だと思う。しかし、もっと大切なのは自学に何が必要か?という観点が無いとIRはできないのではないかと思う。
        • 現在の高等教育政策動向の把握、自学の学生の特徴を把握していることが必要だと思う。しかし、技術的な部分はできるようにならなければならない。日本高等教育学会でもIRに関するワークショップを開催するなどしている。*10その際に技術や事例などを聞く事ができるため、IR人材の研修に役立てられるかと思う。
      • それではIR人材の育成を行うには、職員の育成なども含めて研修等に参加させるなどの対応が必要であるということか。
        • 各大学の教務委員会などで何が求めてられているかにもよるが、簡単な集計レベルならクロス集計などを学べばいいと思うのだが、それ以上に高度な分析を要するならば専門人材を充てた方がいいだろう。そういった研修なども含めた検討が必要だと思われる。
        • 敷居を上げるつもりはないが、ある程度の目的と計画性を持って学生調査に参加することが重要ではないか。

学生調査とIRの関係性について、よく学ぶ事ができました。また、IRを担う人材に関する議論も聞けてよかったです。これは先日参加した大学マネジメント研究会の「IRとは何か?戦略的大学経営とIRの効果的な実践」*11でも「IRはもはや統計に長けた研究者だけでは勤まらない。データガバナンスに精通し、問題解決能力のある、リーダーシップ能力のある人物が今後のIRに求められる」との指摘と重なり合う部分があるように感じました。高等教育政策動向の把握、自学学生の特性把握、一定程度の統計知識など、少しずつですが日本でIRに従事する職員の能力開発の方向性が見えてきたような気がします。
私の場合は統計の知識をいかに身につけるか?が一番問題なので、簡単な入門書を1冊読んでからJMOOCで統計学の講義を受けてみるつもりです。*12また、全国私立大学IR調査結果でIR機能活用の差が大学の歴史・規模によらず、個別大学の経営方針による活用の差になっている可能性が示唆されたのも非常に興味深いです。大学改革の効果測定も含めて、IRをどのように位置づけるかが今後の生き残りにも大きく影響してくるでしょうね。
また、IRというと複雑な統計処理を思い浮かべられる方が多いだろうと思いますが、レポーティング機能の部分ではむしろ簡素に表示できるようにすることが大事なんだと思います。佐賀大学でもIR塾で職員が情報を可視化するためのSD活動などをやっていますが、*13 *14IRの役割は経営陣の意思決定支援が主たる目的なので、アメリカの大学でダッシュボードの機能が発達してきているのは興味深いですね。インフォグラフィックの面からもIRにアプローチできると面白いのではないでしょうか。
私大協の公開研究会に参加するのは3回目ですが、扱うテーマの専門家による講演をじっくり聞く事が出来るので、毎回とても勉強になるので是非他の皆様にも参加をお勧めしたいです。ちなみにこの「ジェイ・サープ」なんですが、新入生調査から上級生調査でしっかり学生の学修行動、学習時間及び学習成果が把握できそうです。私自身は小規模大学で仕事をしていて、様々な業務に追われてグラフひとつ作るのも結構手のかかる事だと思っている実情を踏まえると、是非取り入れてみたいのですが、気になるのが価格設定です。

基本料(200名様迄) 200,000円(税別)で、追加費用が200名を超えた場合は、100名毎に+65,000円(税別)という感じです。これは新入生調査と上級生調査それぞれにかかる費用だそうです。大学全体の在籍者が1,000人で各学年250人だと仮定して新入生調査と上級生調査の両方を実施する場合、年間で85万5千円程の調査費用がかかります。(計算は間違ってないと思いますが、万が一の場合ご指摘いただけると幸いです)利用する大学が増えていけばもう少し価格が下がるのかも知れませんが、もう少し価格が下がるとより導入する大学も増えるだろうと思います。
また、本来的にはこうした他機関比較ができるオンラインDBが大学ポートレートに期待されていたのではないか?などと余計なことを考えてしまいました。現時点では調査票もオープンになっていませんし、引き続き情報収集をしながら自分の職場での活用可能性を探っていきたいです。

*1:日本私立大学協会附置私学高等教育研究所の公開研究会に出席してきました http://d.hatena.ne.jp/high190/20120817

*2:アクティブ・ラーニングと中教審答申をめぐる高等教育研究者の議論を聞いてきました http://d.hatena.ne.jp/high190/20121226

*3:私学高等教育研究所シリーズ(研究報告)No.57(2015.3)「学生調査とIR」 https://www.shidaikyo.or.jp/riihe/book/series/057.html

*4:「多くの場合は、経営・教学の両方を対象とするスタイル B に該当すると考えられるが、IR部署が独立したものではなく、The Office of President(スタイルA)か The Office of Provost(スタイルC)のどちらかに所属することで、IR 部門の業務内容も変わるように考えられる。」ニッセイ基礎研究所のIR(Institutional Research)に関するレポートが分かりやすい http://d.hatena.ne.jp/high190/20121127

*5:オバマ大統領が教育費適正化で新対策、大学の価値評価制度を提案 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0GO01X20130823

*6:College Senior Survey http://www.heri.ucla.edu/cssoverview.php

*7:CIRP Freshman Survey http://www.heri.ucla.edu/cirpoverview.php

*8:こちらのGoogleフォームからデモに飛べます。 学生調査データ閲覧システム(ジェイサープDB)に関するアンケート http://goo.gl/zEIQWF

*9:University of Wyoming Dashboard http://www.uwyo.edu/oia/_files/dashboard/uw_dashboard_june_2013.pdf

*10:日本高等教育学会ニューズレターNo.33 http://www.gakkai.ne.jp/jaher/pdf/News33.pdf

*11:大学マネジメント研究会「IRとは何か?戦略的大学経営とIRの効果的な実践」を聴いてきました。 http://d.hatena.ne.jp/high190/20140926/p1

*12:ga014: 統計学Ⅰ:データ分析の基礎 https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga014/2014_11/about

*13:平成25年度第17回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました http://d.hatena.ne.jp/high190/20130909

*14:京都で開催された高等教育研究会・2013年度大学職員フォーラムに今年も参加してきました。 http://d.hatena.ne.jp/high190/20140114