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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

若手大学職員勉強会"Greenhorn Network"10周年記念イベントに参加してきました

Diary Staff Development

high190です。
10月5日(日)に中野サンプラザで行われた若手大学職員勉強会"Greenhorn Network"の10周年記念イベントに参加してきました。この勉強会は私が職員になって3年目から参加させてもらっていて、「大学を良くしたい!」と願う他大学の若手職員と多く出会うことができた大切な勉強会です。設立10周年記念ということで、是非参加したいと思い、中野まで足を運んできました。


基調講演「今後の日本の大学の将来像と若手大学職員」
小林浩氏(リクルート進学総研所長、リクルート『カレッジマネジメント』編集長)

  • 日本の高等教育全体の動向と若手大学職員のキャリアについての話。予測が難しい未来がやってくる。大学創設時のミッションが、時を経て現在に至り、今後の未来に向けたビジョン。
    • 「ワークシフト」での指摘。漫然と迎える未来と主体的に築く未来。将来の高等教育マーケット予測(2009年に作ったが今でもほとんど変わっていない)
    • 1992年〜2011年
      • 高卒求人の減少。大学の戦略的経営の必要性。
    • 2012年〜2017年
      • 同一の学校種内での競争が液化し、2極化が加速する。規模を縮小する大学が増える。学力上位の高校生が海外大学への進学を加速させる。
    • 2018年〜2025年
      • 定員を縮小する大学、大学間での協力、大学の倒産。大学の機能分化がより加速していく。アジア・オセアニアとの大学間連携、入試。MOOCsインパクト。
    • 2020年のマクロ環境変化と高等教育機関への影響
      • 日本の人口減少、世界(特にアジア)は増加。国内労働市場の縮小。国内産業構造の変化。留学生30万人計画。
  • 大学・専門学校への影響
    • 成長分野の取り込み、グローバル化に対応できる人材育成、女性の就労増加による就業機会拡大、アジアからの留学生受入れ(又はオフショア=規制の関係で遅れている。ちなみに専門学校はどんどん海外に進出していっている。企業の技術移転ではなく、文化の移転を専門学校が行っている)、社会人の学び直し機会(社会人が大学に学びに行かない)
    • 高校卒業者の進路状況の変遷。大学は横ばい、短大は減少、専門学校が増加。
  • 中長期を見据えた大学セグメント別競争戦略の考え方
    • 淘汰予備軍
    • フォロワー大学群(法人分割をする法人が出てきている、京都学園は今年法人分割*1
    • 大手総合人気大学
    • カテゴリーキラー(「目指すべき位置づけ」形容詞のついた付加価値(ダブルメジャーな人間「語学力のある看護人材」)、プロの育成(就職、資格、語学、地域、業界etc)、資格+人間力
  • 大学教育等のあり方に関する政策動向
    • スーパーグローバルハイスクールの拡大にどう大学として対応するか、IB(国際バカロレア*2)認定校を200にするにあたって、大学としてどう対応していくのかという問題。2017年までを大学改革実行集中期間に位置づけている。
  • これからの高大接続の考え方
    • 入試改革の趣旨は「大学入試が担保する」高大接続からの脱却。競争的入試が行えるのは上位15%の大学。高校側の教育の質保証を行うために、達成度テスト(基礎レベル、発展レベル=総合型の入試(PISA型)、クリティカルシンキングなどを問う入試、入試方式はCBT方式に転換する。2021年度入試からの実施を)
  • 高等教育の複線化
    • 教育再生実行会議「今後の学制等の在り方について(第五次提言)」を踏まえ、職業教育専門の高等教育機関の新設に向けた検討が始まっている。*3職業実践専門課程の新設。*4情報公開、学校評価、質保証を強く意識している。
  • 個性輝く大学創りに向けて〜価値の共有と職員の役割〜
    • ビジョン・アセット・ミッションの3つがあれば、今まではよかった。しかし、これからは以下の2つが無いといけない。
      • 「競合(ベンチマーク校)に無い独自性」アメリカの場合にはIRを駆使して競合校との比較を通じた戦略を構築している
      • 「社会環境・ニーズ」現代社会で求められるニーズと、今後の社会に求められるニーズを追求
    • 3つのポリシーの重要性と問題点
      • 名前を隠すとどの大学か分からない。一番大切なのは「ディプロマ・ポリシー」である。どんな学生を育てていくのか?リクルート進学総研のブランド調査。
    • アウターコミュニケーション(目に見える価値)とインナーコミュニケーション(見えない価値)
      • ある大学では高校生向けに創立者のマンガを作成したが、喜んだのはその大学の教員だった。大学はインナーコミュニケーションが苦手では?大学の魅力や方向性を共通言語化できているか?
      • 「上手く行かないのは、他の誰かのせいになっていないか?」→ココが一番重要。大学改革を通じて職員力を高めている大学が生き残る。
  • 人口減少時代の大学マーケティングミックス戦略
    • 4P(Product,Price,Place,Promotion)
    • 大学改革の流れは2000年初頭の企業改革動向と酷似
    • 成熟マーケットにおける差別化とスピードと経営が求められている。大学という成熟マーケットにおける戦略立案、エビデンスベースの経営。
    • 差別化戦略の前提となる定量・定性両面の把握ができていないと仮説が立てられない。PDCAを回せない。
  • 重要度を増す大学職員の役割
    • 「戦略スタッフ」としての職員
    • 教職協働の推進者としての職員
    • 期待される役割
      • 戦略立案、学内外のコミュニケーション、プロフェッショナルとして(専門性を軸としたゼネラリスト:T字型人材)
      • 具体的な姿・行動
      • 目指す姿を共有できているか?(中長期・短期)
      • 主体的かどうか?
      • 工程表はあるか?
      • 検証方法を持っているか?PDCAを回せているか?
    • 「プロフェッショナル」の定義
      • 「一つの特定領域のビジネスファンクションで他者を凌ぐ能力があり、かつジェネラルマネージャーにもなれる経営をするための戦略立案能力とその遂行能力、現在ない場合でも潜在的に能力がある者」橘・フクシマ・咲江社長。自分自身のキャリアに照らしても「人生に無駄ヅモなし!」
  • ユニバーサル化時代の大学改革の方向性とは〜問われるのは学習成果(インプットからアウトカムへ)〜
    • 大学に問われる役割は変化し続けている。より多様な人材を育成。
    • 働くライバルは外国人?就職しても一企業で勤め上げるのは少数派。
  • “学ぶ”と”働く"を繋ぐポイントは何か?
    • 企業側も「面白い取り組みをしている大学」を探している。「継続して学ぶ力をつける」
    • ユニバーサル化時代の人材育成の方向性
      • 何を教えたか?から何を学んで何ができるようになったか?への転換
      • キャリア・スタンスの醸成:若年時から社会・企業の理解促進、働く事の意味を考える
      • 就業力育成、グローバル化への対応、到達目標の明示、少数精鋭を組み合わせた経験価値を付ける
      • 正課・正課外を含め、大学全体で大学のミッションに合った人材を育成
      • ローカル人材→ナショナル人材→グローバル人材(どの人材を育成するかを各大学で戦略的に考える)
  • 今大学に求められるものは
    • 世界的な傾向として、アウトカム重視は避けられない。
    • 教育研究活動を通じて、大学がどのような人材育成をするのかのコミットメントはあるか。これこそが最大のブランド価値。ストーリーとして分かりやすく伝えることが重要。
  • 終わりに
    • 大学は社会の最後の学校としての接点である。経済同友会に出向していた際、経営者は教育改革として大学を挙げ、教養教育の重要性を指摘していた。大学の仕事は日本の未来を創る大事な仕事であり、未来は将来を支える大学職員の双肩にかかっている。これまでの慣習にとらわれることなく、未来志向で変革を楽しむことが大切。
  • 質疑応答
    • これまでの大学における就職支援は、「就職させる事」が第一だったと思うが、キャリア支援・キャリアコンサルティングがどのように関わっていくべきだとお考えかを聴かせて欲しい。
      • 高校生にアンケートを取ると「将来何になりたい」かを問う事が非常に多い。キャリア教育には山登り型(スポーツ選手などのごく一部)と筏下り型(日々をしっかり生きていくことで自分で舵取りをしていく。クランボルツの「計画された偶発性」)がある。就職が決まる学生とそうではない学生の明確な違いは「就活に対する準備」の差である。早い学生は大学1年あるいはそれ以前から様々なことを「経験」している。大学側は「経験」の機会を多く提供することを考えなくては行けない。
    • 大学とは何かを考えた時に、社会に役立つ人材を育成する機関という点に重きが置かれていると思うが、そのことを重視するが故に、同じような取り組みばかりになっていると感じるが、その点はどうか?
      • 私立大学は自学のミッションに照らして何を重視するかを考えることが必要になる。個性化をどう図っていくかという点で、教育機関としてはよい人材を育成する事だと思うが、ウエイトの付け方は各大学で考えればよいと思う。
    • ますます大学には競合性が増していくのは間違いなく、戦略スタッフの重要性も分かる。しかし、職員間の意識バランスの違いもある。例えば積極的な職員に任せていればいい訳でもなく、どのようにして職場全体の目線をそろえていくかを聞かせて欲しい。
      • 企業でも大学でも同じ。2・6・2の法則。重要なのは将来を見据えたビジョンを作れているかが大きい。大学は現状ベースで議論をして内部で議論になる事が多いが、実際には未来を見据えていくことが大切である。ビジョンや中長期計画は作って終わりではなく、組織に浸透させていかなければならない。中長期計画の策定からアクションプランにまで落とし込む事が必要ではないかと思う。

小林さんはリクルート進学総研が発行する「カレッジマネジメント」の編集長を始め、高等教育に関して様々な提言をされている方です。*5今回、初めてお話を伺いましたが、非常に分かりやすく日本の高等教育の現状を語っていただいたと思います。また、ご自身のキャリアを説明される際、リクルート入社後に様々な仕事を経験された事を踏まえて「人生に無駄ヅモなし!」と仰っていましたが、私自身もこれまでの業務で異動等が多かったので、なるほど!と思わさせられるご意見でした。またお話を聞かせていただきたいと思います。
ちなみに質疑応答の際、職場内での職員間のモチベーション差についての質問が出ましたが、このことは、1月に参加した大学職員フォーラムでも「組織には、仕事を積極的に関わる2割の層、人並みの6割の層、仕事をしない2割の層があると仮定した場合、それぞれに具体的に働きかける時の特質はどうか」ということが話題になり、中間層の6割をどう引き上げるかがポイントであるとの意見がありました。*6

パネルディスカッション前の話題提供
進路づくり教育のプロデューサー倉部史記

  • 自分自身のキャリアをきっかけに、大学職員として内側から感じたことと、離れてみて知った事を中心にお話したい。
    • 大学職員時代は教務課の職員だった。その後、早稲田塾総研で主任研究員として大学連携プロデューサー、採用担当者。予備校時代には高大接続、日本の高校生を海外の一流大学に連れて行ったりしていた。
    • 最近ではフリーランスで、進路づくりプロデューサーとして高校・大学での講演やWCV(ウィークデー・キャンパス・ビジット)*7などを運営。
    • 日本にある学位の種類。679種類ある。うち6割は特定の1大学にしかない「オンリーワン学位」。
    • 大学の学部名や学位名称など、大学側の人間は内側ばかりを気にしてきたのかも知れない。これでは進路指導はできない。例えば大学案内を見ても同じようなことしか書いていない。例えば「どう少人数なのか」を高校生は知りたいと思っている。「個性を出す」ということは何かを切り捨てるということだが、職員がそのことを議論する機会や環境がない。
  • 高校生がよくする質問に対する、大学の教職員の答え方とは?
    • 「どんな資格が取れますか?」
    • 「勉強について行けるか不安です。大丈夫でしょうか?」
    • 「就職率はどのくらいでしょうか?」
    • 「ロボットに興味があります。ロボットをつくったりできるんでしょうか?」
    • 上記の質問に対して、一問一答で回答をしてはいけない。高校生が何に関心を持ち、どの程度の学習意欲かを問いかけていくことが求められている。問いかけ方ひとつで意味合いが全然変わってくる。
  • 優れた大学職員とは?
    • 立命館アジア太平洋大学(APU)「世界で開かれた大学で学ぶ価値」を伝える入試課職員。
      • 「銃を見た事が無い」人はマイノリティであるいうことを語りかける職員。日本の常識から世界の常識へ「APUキャンパスは世界の縮図」入試の説明ではなく、どんな人材を育成したいか?を職員に熱く語ってもらいたい。生き方の問いかけ、世界の現状。
    • 横浜市立大学の出光直樹さん*8
      • 看護師を希望する高校生「勉強は苦手なので指定校・AO入試で入れる大学に行きたい」
        • そういう高校生に「君は医療に向いていないので考え直した方がいいのでは?医療の道は一生勉強。医療職に就くならばそのことを乗り越えられないといけない。この話を聞いてあなたは何を思うの?」と返した。その高校生は「もう一度考えてちゃんと勉強してみます」と言い、後に横浜市立大学に入学した。職員ではあるが、教育者としての視点を持つ。
    • 教育者としての大学職員
      • 大学職員は「人気職」である。名だたる大企業の人が転職したいと思っている仕事。では叩き上げの職員が大学で働く上での強みとなるのは"How to"ではなく"What?"を語れることではないか?ニコニコ生放送に呼んだ各大学の教職員*9のうち、ICUの日比谷学長*10やムサビの手羽イチロウさん*11は、生中継で指摘されたある種「ネガティブ・コメント」をわざわざ拾って、実際はどうであるか?を回答していた。大学人としての姿勢・矜持がある。大学の根幹をなす教育の物差しの違いを伝えられるのは大学職員である。
  • 「大学案内には載っていないこだわりを伝えていく」
    • 現在の小学1年生が将来就く仕事のうち、65%は現時点で存在していない。*12
  • 自分の行動指針をつくりながら生きていく「能力はかけ算である」
    • 例えば・・・
      • 工学技術×ビジネスセンス×接客能力
      • 医療の技術×リーダーシップ×企画力
    • 大学職員として何をかけ算して生きていくか。大学職員になってから高等教育のブログを書き続けた。毎晩3〜5時間を費やして1500日連続更新していた。大学職員として働く中で、周りの人々を見て危機感を感じた。1ヶ月続いたら大学職員に向いている!ということでは?ということで書き続けてきた。キャリアチェンジのきっかけに。ブログを元に最初の著書を出版。2005年に書いたエラスムス計画について、9年後にJ-WAVEからコメントを求められたが、これも人生に無駄ヅモ無しである。
  • 大学職員としての経験:教務管理部問の視点、一職員としての問題意識×予備校での企画経験、現場経験(進路相談、大学との連携、採用活動)×悩んできた社会人としての実感
    • 大学職員という職場や待遇が人生にやりがいや成長を与えてくれることはない。大学職員という環境を、自分でどう活かすかが重要。
    • 自分に最近ついたあだ名は「無所属の大学職員」だが、大学職員としての経験を違う場所で活かす人も増えてくるだろう。「大学職員」という人生を選んだのではなく、日本の教育を良くするために活動している!と考えるべきでは?
  • 2020年のGDP順位
    • 2010年で日本は3位だが、2050年では8位に後退する。-大学職員はこの世界に向けて日本の大学を変えていく仕事である。

倉部さんのプレゼンを聞いたのは久しぶりでしたが、相変わらず分かりやすく聞きやすいお話でした。大学職員として働いた経験を踏まえ、その後に大学を外から見た場合の問題点なども含め、「大学職員」は現在の転職市場でも人気職のひとつであること、事務職員とはいえ、教育に関わる者としてどのような職務を担うのか?またどのような観点を持つべきなのか?ということのお話がありました。これは広く日本の大学を見てきた倉部さんならではのお話で、ご紹介のあった大学職員の方も興味深かったです。

さて、メインイベントともいうべき若手職員によるパネルディスカッションの記録もまとめておきたいと思います。

パネルディスカッション「大学職員の"魅力"と"楽しみ方"〜10年後の十人十色」

  • 社会人1年目から現在までのキャリアについて
    • パネラーが入職から現在までの歩みをそれぞれ紹介。
  • 今までのキャリアの中で仕事を辞めたいと思ったことがあるか?
    • パネラー毎に今までの悩みをお話になりましたが、モチベーション高く仕事に取り組んでおられる方々でも悩みを抱えることがあるんだな、と思わず共感してしまった設問でした。
  • 自身の仕事の今の一番のモチベーションの源は?
    • 大学職員の仕事は4年間で学生が入れ替わるジレンマがあるが、大学を問わず個別の学生を支援できる面もあるので、その点がモチベーションに繋がっている。
  • 今の自分にとって刺激になっている人は?
    • 前大学行政管理学会会長の横田利久さん(現在は関西国際大学の事務局長をお務めのようです)
    • 大学職員として多くの発表を行い、また職員間の繋がりを多く作っている中央大学の梅澤貴典さん
    • 入試業務のスペシャリストとして働いている横浜市立大学学務准教授の出光直樹さん
    • 私からは関西外国語大学事務局長の吉崎誠さん、京都産業大学の若手職員(中原正樹さん、北川将己さん)を挙げさせていただきました。
  • 自己研鑽として若手職員に薦めたいこと、またこれから自分が取り組みたいこと
    • 学会発表をすること。研究発表をすることは他者からシビアな評価を受けることであり、敷居が高いように感じられるが、発表を行う事で職場の教員からの信頼が増す(教員は互いの専門性を尊重する)という効果があるのでおすすめですとの意見がありました。これは是非私もチャレンジしてみたいと思いました。
  • 大学職員としての仕事に「壁」を感じることがあるか。それを今後どのように打破したいか。
    • 自分の市場価値を担保し続けるために、資格取得に取り組まれた事例が紹介されましたが、その中でも簿記が役に立ったという意見がありました。確かに簿記・会計の知識は業界を問わず数字を読み解く際に必要な知識ですね。私も学生時代に入門的な部分までは勉強したので、近々学び直しに向けた学習計画を練ろうと思っています。
    • 日々の仕事に取り組む上で前例を疑い、変化に対応し続けることが大切とのコメントもありました。また、「壁を感じた事は無い!」という素晴らしい意見もありました。私も業務で壁を感じた事はあまり無く、ブログを書きながら解決策の引き出しを少しずつ増やしていった事が今の仕事に役立っていると感じる事があります。
  • Greenhorn Networkの活動の魅力(どのような点に魅力を感じてご参加頂いているか?)
    • Greenhorn Networkで目的意識の高い若手職員と繋がりを持つことによって、多くの刺激を受ける事ができ、GNに助けられた面があるとの意見がありました。これは私も同感で、同世代で目的意識高く仕事をされている方と出会う中で多くの刺激を受けましたし、大学行政管理学会に入会する際も、GNで知り合った方に推薦していただく形で入会する事ができたなどの実例があります。
  • 実際に若手・中堅職員レベルで大学同士が協力できそうなことは?
    • 前向きな人がいることは助けになるとの意見がありました。そうですね、職場外の同業者であっても職員同士でピアサポートしているような面も多々あると思いますし、職員として人と人の繋がりによるコネクション形成など、若手・中堅職員レベルで協力できることはたくさんあると思います。
  • グローバル化が求められる時代において、それを職員として痛感する場面や、今後、どのようなスキルや意識、準備が必要になってくるか?
    • ひとつの例えとして、日本の大学は他国と比較してWebサイトの他言語対応が遅れているとの話が出ました。また、これからの大学職員として語学力を身につけるのは当たり前になってくるが、大学は多様(diverse)な場所であり、英語は最低限必要になるとともに、前提を共有しない人に伝える能力、他者と協働するための力が必要なのではないかとの意見がありました。私自身、グローバル化を国内から見た視点で捉えていますが、海外での業務を経験されている方の言葉はやはり重みがあると感じた部分です。
  • 大学間の雇用の流動化(職員の転職等)が今後増加することも考えられるが、所属大学内という視点ではなく、「大学職員としての」必要なスキルや能力はどのようなものだと考えるか。
    • ここもパネラーから多様な意見が出て面白かったところです。大学職員は世間的に見ても「人気職」であり、キャリア上のライバルが多い事を踏まえて"How to"よりも"What!"を知る人になるべきとの意見もありましたし、変化を受け入れつつも自分が得意な事を伸ばすことの大切さや、スモールスタートで軌道修正しながらPDCAを回す力など、それぞれの方が普段どういう点に留意して仕事を進めているかの一端を垣間みることができました。私からは「誰もやりたがらない仕事」や「手つかずの仕事」に取り組んで、その分野のスペシャリストになることの重要性を挙げさせてもらいました。
  • パネルディスカッション全体を振り返って、大学職員の仕事の「醍醐味」「やりがい」と自身の今後のキャリアにおける夢(野望)
    • 大学職員の仕事に対する、今後のことを各パネラーが語りましたが、どのコメントも非常に前向きで勇気づけられるものがたくさんありました。
      • 「18歳以外をターゲットにした場合の対応を考えたい」
      • 「変わった組織のガバナンス、"Learning to Change the World"を追求したい」
      • 「人生の本番はまだ先だと思っていたが「今にベストを尽くす」ということの大切さ。また、大学職員は若い可能性を伸ばす事ができるし、学生が変わる瞬間に立ち会う事が出来る仕事」
      • 「高校生に「挑戦しなよ!」という前にまず自分自身がやらなければならない」

最初から最後までとても充実したプログラムで、私自身がうまく咀嚼できていないために雑駁な記事になりましたことをまずお詫びしたいと思います。しかしながら、大学を支える人材にはこれだけ面白い人がたくさんいることを改めて認識する事が出来ましたし、その反面、小林さんと倉部さんのお話を伺って、大学を客観視するためにも、いつか外から見てみる事も必要なのかもしれないなと感じた部分もありました。このイベントに参加できたのも何かのご縁ですが、ここで得られた知見を活かして、さらに職員としての能力・資質を向上させていくことが自分自身の新たな目標になりました。
最後になりますが、イベントの準備から当日の運営には多くの若手大学職員が関わっていらっしゃいました。10周年記念のイベントということもあって、準備段階から様々なご苦労があったことと思います。(私はブログぐらいしか書けませんが)彼らは特に報酬などではなく、日本の大学教育を良くしていくためには自分に何ができるか?を常に考えている人たちです。縁の下の力持ちとして、大学教育を支えている人たちの中に自分も含まれていることを、改めて知る事が出来た1日でした。*13

*1:京都学園中・高が別法人設立 大学から分離独立 http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20140712000030

*2:国際バカロレアについて http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/

*3:実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回)の開催について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/09/1352291.htm

*4:「職業実践専門課程」について http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/1339270.htm

*5:所長 小林浩について http://souken.shingakunet.com/souken/2012/01/post-00dc.html

*6:京都で開催された高等教育研究会・2013年度大学職員フォーラムに今年も参加してきました。 http://d.hatena.ne.jp/high190/20140114

*7:高校生の進路発見プログラム・WEEKDAY CAMPUS VISIT http://wdcv.net/html/index.html

*8:N.IDEMITSU http://www.idemitsu.info/

*9:倉部史記の進路づくりTV https://www.youtube.com/playlist?list=PL07F00CF44951953B

*10:学長室・挨拶 http://www.icu.ac.jp/about/president/message.html

*11:美大ラウンジ(裏) http://d-lounge.jp/blog/

*12:"Now you see it" Duke University Cathy N. Davidson http://www.cathydavidson.com/books/now-you-see-it/

*13:【セルフ文字起こし】「Greenhorn Network10周年記念イベント 若手大学職員シンポジウム」における自身の発言記録 http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/09/050000