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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

Times Higher Educationの世界大学ランキング2013-2014が発表されました

Diary Research Foreign

high190です。
今年のTimes Higher Educationによる世界大学ランキングが公表されましたので、早速結果を見てみましょう。


英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は2日、今年の「世界大学ランキング」を発表、東京大が23位(昨年27位)と昨年から四つ順位を上げてアジア首位の座を守った。上位200校に入った日本の大学は5校で昨年と同数だった。同誌は、ランクインした日本の5校のうち4校が昨年より順位を上げていることに触れ「日本の大学の国際的地位を高めようとする政府の取り組みの成果が上がっていることを示している」と分析した。
研究論文の引用頻度や教員スタッフ1人当たりの学生数などを基に順位を付けた。米カリフォルニア工科大が3年連続でトップ。2位は英オックスフォード大と米ハーバード大が並び、米スタンフォード大が4位となるなど、上位10校は全て米英の大学だった。東大以外の日本の5校は京都大が52位(同54位)、東京工業大が125位(同128位)、大阪大が144位(同147位)、東北大が150位(同137位)。

ランキングの分析については、様々な観点から解説が行われていますが、ここでは日本に関係ありそうな部分を抜粋して見てみましょう。Analysisの"In the place to be"*1、"Watchwords for improvement"*2あたりですかね。

Asia’s most powerful force, Japan, has had a solid year after previous signs that its regional dominance was waning. Of its five top 200 representatives, only one, Tohoku University (joint 137th to joint 150th), has lost ground. Tokyo has consolidated its position as Asia’s number one, climbing four places to 23rd, while Kyoto University has edged up from joint 54th to joint 52nd.
The results will make encouraging reading for Prime Minister Shinzo Abe, who in June announced ambitious plans to ensure that there are 10 Japanese universities in the top 100 within a decade.
“The Japanese government has rapidly expanded its support for the internationalisation of Japanese universities in unprecedented ways,” said Shigeharu Kato, director general for international affairs at Japan’s Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology.
In 2009, the Global 30 project was set up to bolster the Japanese sector’s recruitment of international students. It was followed in 2010 by Reinventing Japan, a programme to encourage international collaboration, and in 2012 by the similar Go Global Japan project.
“It appears that under these initiatives, many universities have succeeded in increasing their presence in the world through their efforts in promoting student exchanges and strengthening their networks with foreign institutions,” says Kato.
And there will be no let-up in the improvements, he insists. “Prime Minister Abe has put as much priority on education as the economy,” he adds, with universities placed at the heart of the country’s growth strategy.
“Let me underline that the government is committed to supporting Japanese universities in further improving their recognition and reputation in the world,” he says.
With similar sentiments expressed by governments across Asia, it seems that the West-to-East power shift will continue.

However, Japanese and South Korean universities continue to build on their pedagogic advantages.
In contrast to other parts of the world, diversification and specialisation do not seem to be top priorities for Asian universities: the internal cohesion of Japanese, Korean and Chinese institutions in the top 200 list vastly increased between 2012-13 and 2013-14. However, this policy of improvement across the board does seem to fall short when compared with global competition based on diversification and specialisation.

THEのインタビューに回答をしているのは、文部科学省の加藤重治国際統括官のようです。*3「日本の大学の国際的地位を高めようとする政府の取り組みの成果」として、2009年度から始まったグローバル30のことが紹介されていますが、安倍首相が5月17日に行った「成長戦略第2弾スピーチ」(日本アカデメイア)で述べた「今後10年で、世界大学ランキングトップ100に10校ランクインを目指」すことを評価しているのが分かります。今年度から行われている研究大学促進事業なども評価向上を後押ししたのでしょうね。*4アジアの大学が世界的にも評価されてきているよい兆しだと思います。
しかしながら、トップ10は全て英米の大学に独占されている事実から目を背けてはならないと思います。今年のランキングから日本の大学のみを抽出してみました。括弧書きは昨年度の順位です。去年の結果はこちらからどうぞ。*5また、こちらのブログも参考になります。*6

200位以内では、東北大学以外の大学は全てランクを上げる結果になりました。また、400位圏内から慶應義塾大学早稲田大学が外れてしまったことも見逃せないと思います。全体的にはランクが上昇していますが、大学の国際化を示すinternational outlook(100が最高値)では、東京大学が29.6、京都大学が27.5、東京工業大学が32.1、大阪大学が27.6、東北大学が29.3と、依然、諸外国の大学と比較すると低い値に留まっています。この指標を上げるには、留学生比率、外国人教員比率、国際ジャーナルへの投稿論文数などを増やすことが必要です。*7それができないと、安倍首相が語る今後10年でトップ100に10校という目標を実現することは困難と言わざるを得ません。また、アジア地域で見ても、シンガポールや香港は高い数値ですが、日本、韓国などは相対的に低い数値になっています。あわせて、上位50大学の中でinternational outlookが30を切っているのは東京大学のみであることも重く受け止めなくてはいけません。単純にランクが上がったことを喜ぶのではなく、さらに上げていくために何をすべきかを日本全体で探っていかなくてはいけません。大学の国際化は、まさしくAll Japanで挑むべきテーマです。
また、中央教育審議会教育再生実行会議などで大学教育についての議論がかなりのスピードで進行していますが、大学職員はこのスピードに付いていきながら諸外国の動向も探って自分なりの解を出せるよう、日々努力しなければなりません。仮に研究大学に勤務していなくとも、国際化への対応は無関係ではいられない世の中になってきたのだと思います。グローバルに進行する大学間競争の激しさを改めて認識させられた今年のランキングでした。

*1:In the place to be http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/world-ranking/analysis/in-the-place-to-be

*2:Watchwords for improvement http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/world-ranking/analysis/watchwords-for-improvement

*3:文部科学省幹部名簿(2013/10/03閲覧) http://www.mext.go.jp/b_menu/soshiki2/kanbumeibo.htm

*4:平成25年度「研究大学強化促進事業」の支援対象機関の決定について http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/sokushinhi/1338460.htm

*5:Times Higher Educationの世界大学ランキング2012-2013が発表されました http://d.hatena.ne.jp/high190/20121005

*6:日本の大学 アジアで首位固め 大学世界ランキング http://blogos.com/article/71076/?axis=b:28585

*7:World University Rankings 2013-2014 methodology http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/world-ranking/methodology