high190です。
最近は国際的な大学ランキングが様々なところで公表されるようになり、グローバル化を感じていますが、Times Higher Educaitonでは世界的な大企業と呼ばれる会社の最高経営責任者(CEO)を輩出している大学のランキングを作成し、公表しました。100大学のうち、日本の大学は9校がランクインしています。
- 世界大企業トップ輩出、東大2位 慶大9位(出典:47NEWS 2013/09/05)
英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションは5日、世界的な大企業トップの出身者数で順位付けした高等教育機関100校のランキングを発表。日本からは東大が2位、慶応大が9位に入った。
このランキングは、毎年「世界大学ランキング」を発表している同誌による初の試み。米経済誌フォーチュンの世界企業500社番付に入っている企業の最高経営責任者(CEO)が卒業したり学位を取得したりした大学を調査し、人数別に順位付け。経営する企業の売上規模などを加味した。
1位は25人のCEOが卒業した米ハーバード大。東大が13人で続き、アジアでトップとなった。
今回、100位までにランクインした日本の大学9校は次の通りです。あわせて、各大学の輩出数も付記しておきます。
9校の内訳は国立大学5校、私立大学4校となっており、個人的には私立大学が健闘しているように感じます。このうち、World University Ranking 2012-2013で500位以内に入ったのは、東京大学、京都大学、東京工業大学、大阪大学、慶應義塾大学、早稲田大学の6校です。*1Times Higher Educaitonが公表した結果は、次のURLからご確認いただけます。
- Alma Mater Index: Global Executives 2013(出典:Times Higher Education)
In most global university league tables, the UK comes a comfortable second, having more institutions in the elite lists than any country except the US.
But in a new index that ranks universities by how many degrees they have awarded to the chief executives of the world’s biggest companies, UK institutions put in a much weaker showing than many of their traditional rivals.
The Times Higher Education Alma Mater Index: Global Executives 2013 ranks institutions by the number of degrees they have awarded to the top dogs of Fortune Global 500 companies.
また、今回のランキングではFORTUNE発表の企業ランキングが用いられたようです。こちらのランキングもあわせてお知らせします。
- FORTUNE Global 500 2013(出典:CNN Money)
このうち、500位以内に入っている日本企業は62社あります。国別に企業を表示したリストを掲載しておきますので、あわせてご確認下さい。
- トヨタ自動車株式会社(Toyota Motor、8位)
- 日本郵政株式会社(Japan Post Holdings、13位)
- 日本電信電話株式会社(Nippon Telegraph & Telephone、32位)
- JXホールディングス株式会社(JX Holdings、44位)
- 本田技研工業株式会社(Honda Motor、45位)
- 日産自動車株式会社(Nissan Motor、47位)
- 株式会社日立製作所(Hitachi、54位)
- パナソニック株式会社(Panasonic、83位)
- 日本生命保険相互会社(Nippon Life Insurance、86位)
- ソニー株式会社(Sony、94位)
- 東京電力株式会社(Tokyo Electric Power、117位)
- 三菱商事株式会社(Mitsubishi、118位)
- 株式会社東芝(Toshiba、126位)
- イオン株式会社(AEON、127位)
- 第一生命保険株式会社(Dai-ichi Life Insurance、142位)
- 株式会社セブン&アイ・ホールディングス(Seven & I Holdings、150位)
- 三井物産株式会社(Mitsui、156位)
- 丸紅株式会社(Marubeni、160位)
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(Mitsubishi UFJ Financial Group、163位)
- 明治安田生命保険相互会社(Meiji Yasuda Life Insurance、164位)
- 伊藤忠商事株式会社(Itochu、174位)
- 新日鐡住金株式会社(Nippon Steel & Sumitomo Metal、185位)
- 富士通株式会社(Fujitsu、186位)
- 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(Sumitomo Mitsui Financial Group、190位)
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(MS&AD Insurance Group Holdings、191位)
- 住友生命保険相互会社(Sumitomo Life Insurance、200位)
- 出光興産株式会社(Idemitsu Kosan、215位)
- 東京海上ホールディングス株式会社(Tokio Marine Holdings、218位)
- KDDI株式会社(KDDI、233位)
- キヤノン株式会社(Canon、236位)
- 株式会社デンソー(Denso、242位)
- 三菱電機株式会社(Mitsubishi Electric、244位)
- ソフトバンク株式会社(Softbank、257位)
- ジェイエフイーホールディングス株式会社(JFE Holdinngs、278位)
- 株式会社ブリヂストン(Bridgestone、283位)
- 株式会社三菱ケミカルホールディングス(Mitsubishi Chemical Holdings、290位)
- 日本電気株式会社(NEC、295位)
- 住友商事株式会社(Sumitomo、306位)
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ(Mizuho Financial Group、312位)
- 関西電力株式会社(Kansai Electric Power、320位)
- NKSJホールディングス株式会社(NKSJ Holdings、325位)
- 三菱重工業株式会社(Mitsubishi Heavy Industries、327位)
- 株式会社メディパルホールディングス(Medipal Holdings、330位)
- コスモ石油株式会社(Cosmo Oil、345位)
- 東日本旅客鉄道株式会社(East Japan Railway、351位)
- 中部電力株式会社(Chubu Electric Power、356位)
- スズキ株式会社(Suzuki Motor、367位)
- アイシン精機株式会社(Aisin Seiki、374位)
- シャープ株式会社(Sharp、383位)
- T&D Holdings(T&D Holdings、392位)
- アルフレッサホールディングス株式会社(Alfresa Holdings、400位)
- 昭和シェル石油株式会社(Showa Shell Sekiyu、436位)
- 富士フイルム株式会社(Fujifilm Holdings、437位)
- マツダ株式会社(Mazda Motor、440位)
- 住友電気工業株式会社(Sumitomo Electric Industries、450位)
- 株式会社マルハン(Maruhan、455位)
- 日本たばこ産業株式会社(Japan Tobacco、459位)
- 野村ホールディングス株式会社(Nomura Holdings、467位)
- 大和ハウス工業株式会社(Daiwa House Industry、481位)
- 住友ケミカルエンジニアリング株式会社(Sumitomo Chemical、494位)
- キリンホールディングス株式会社(Kirin Holdings、496位)
- 株式会社リコー(Ricoh、500位)
大学別の輩出者数を合計すると46人になります。当然、各企業のCEOは1人となりますし、日本において外国人のCEOはまだ少ないことを考えて、FOTUNE 500にランクインしている日本企業のCEOが全て日本人だという仮説を立てると、約74%になります。何が言いたいのかというと、このランキングで日本の大学が上位に存在することは大学教育の充実度という観点とはあまり関係がなく、どちらかというと産業の競争力で日本が世界の中でも上位に存在し、その企業経営者を日本の大学出身者が占めていることを現しているように感じます。
大学ランキングはこれからの日本の高等教育政策を考える際、重要な視点ですし、現政権は実際に世界大学ランキングの上位10校に日本の大学が入ることを目標としています。ただ、単純にランキング順位を見るのではなく、このように大学を取り巻く外部環境の関わりで見た場合など、多様な観点から日本の大学教育の現状を評価していくことが重要なのではないでしょうか。
*1:Times Higher Educationの世界大学ランキング2012-2013が発表されました http://d.hatena.ne.jp/high190/20121005