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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学職員は法制執務を勉強しよう

high190です。
最近、大学職員として働く上で気になる用語に「法制執務」があります。これは、法の仕組みや法令等の構成及び表現などを学び、具体的な法令等の作成を行うことを目的とするものです。大学職員的に言えば、「規程作成の実務」と読み替えるとイメージが掴みやすいのではないかと思います。といいつつも、私は法学部出身でなく、法律関係の知識が非常に乏しいと感じていましたので入門テキストのようなものを探していたところ、Twitterで国立大学職員の方が言及していた書籍があり、これなら私でも読めると感じましたので購入してみました。

全訂 図説 法制執務入門

全訂 図説 法制執務入門

どうも私の場合、学則及び規程改正の実務をこれまで経験してきたせいか、何となく仕事の根拠を作る上で規程を作るという漠然とした認識だったのですが、法制執務というものが何であるか前書きに書かれていました。

・・・我が国は成文法主義をとっていますので、その政策(行政施策)を文章(条文)に表現しなくてはなりません。政策実現の手段としての法制執務といわれるゆえんです。

このように日本では、まず政策を文章化することで初めて効力が発生するということになります。*1これを大学での仕事に当てはめて考えると、新規事業を行うにあたっては規程を整備して学内に公布することが必要であるということです。日常業務で何げなく行っている実務にも、このような法的な背景があることを知るのは、業務を深く理解するために必要ではないかと思います。
また、大学職員は必然的に文部科学省等の行政文書を目にする機会が多くなります。その際に、法律、政令、府令・省令、告示、訓令といった法令の種類や階層構造、法令用語などに関する基礎知識を持っておくことは仕事を進める上での必須事項かと思います。行政文書を正しく理解するためにも、まずは基礎知識として法制執務を学ぶことには一定の意義があるのではないか、と最近感じているところです。こういった書籍を読んでいると、大学生の時にもっと法律関係科目を履修しておくべきだったか…とか、法学部に進学すべきだったかと色々考えてしまいますが、最近では法学部離れが進んでいる*2ことなどは、実務で法令に触れることが多い仕事柄、ちょっと意外に感じたりする部分です。(実際には法科大学院の問題や法曹資格取得者の就職難などもあって法学部離れが加速していることは否めないかと思いますが)*3
また、規程作成の実務にあたっては法令用語の知識が必須です。このブログでも何度かご紹介している「大学の教務Q&A」にも法令用語に慣れることの必要性が説かれています。

大学の教務Q&A (高等教育シリーズ)

大学の教務Q&A (高等教育シリーズ)

今回、何故法制執務という一見して大学職員の実務と関係が無さそうな事柄を取り上げたのかといいますと、そもそもの話、大学は法の下に置かれた存在であり、その上で各大学が自主性を発揮することが何よりも重要なことであることを再確認しておきたかったからです。私もブログで色々な情報などをお知らせしていますが、誤った認識を持たないためにも、この本は何度も読み直して法令を読み解く力を少しでも身につけておきたいなと感じました。

また、法制執務に関連してもう一冊読みたいのが「法令用語の常識」という書籍です。この本は内閣法制局長官などを務めた林修三氏*4が書いた本で、初版は1958年ですから長きに渡って読まれてきた法解釈の解説書です。元々、この本は、私が昨年度まで仕事でお世話になっていた顧問の方から頂いたもので、規程作成の実務を学ぶ上で有用であるとのアドバイスをいただいていました。今回、法制執務に関連する書籍を読んだことで、さらに法令用語を学ぶことが職員としての仕事に役立つのだと感じたことから、こちらも近いうちに読みたい書籍のひとつです。

法令用語の常識 改訂版 (セミナー叢書)

法令用語の常識 改訂版 (セミナー叢書)

*1:制定法主義 http://goo.gl/svlSW

*2:大学入試、就職考え「文低理高」傾向に 法学部離れ顕著 http://www.asahi.com/edu/center-exam/TKY201301190056.html

*3:司法試験 受験予定者大幅減少 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130515/k10014587231000.html

*4:林修三 http://goo.gl/ooWmu