読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

就職活動の失敗による学生の自殺が増えているとの報道を受けて、大学職員として何をすべきか

Diary

high190です。
学校基本調査による大卒者の就職率は平成22年度が60.8%*1平成23年度が61.8%*2と、依然として低い水準で推移しています。
こうした世相を反映してなのか、就職活動の失敗による大学生など10〜20代の若者の自殺が増えているとの報道がありました。


就職活動の失敗を苦に自殺する10〜20歳代の若者が、急増している。
2007年から自殺原因を分析する警察庁によると、昨年は大学生など150人が就活の悩みで自殺しており、07年の2・5倍に増えた。
警察庁は、06年の自殺対策基本法施行を受け、翌07年から自殺者の原因を遺書や生前のメモなどから詳しく分析。10〜20歳代の自殺者で就活が原因と見なされたケースは、07年は60人だったが、08年には91人に急増。毎年、男性が8〜9割を占め、昨年は、特に学生が52人と07年の3・2倍に増えた。
背景には雇用情勢の悪化がある。厚生労働省によると、大学生の就職率は08年4月には96・9%。同9月のリーマンショックを経て、翌09年4月には95・7%へ低下。東日本大震災の影響を受けた昨年4月、過去最低の91・0%へ落ち込んだ。

大学生の自殺対策については、自殺対策白書に筑波大学の取り組みが紹介されたり、*3富山大学が自殺防止対策室という専門部署を設ける*4などの取り組みが行われていますが、昨今の就職状況の厳しさを見ても大学生への自殺対策はより深く行っていく必要があります。特に大学においてはキャリアセンターとカウンセラー、学生課が連携するなど、就職活動における学生のストレス状況の把握や改善に向けたサポートなどを行っていく必要があると思います。
また、就職活動の負担が学生に重くのしかかっている実情を踏まえて、何よりも求人市場と学生の希望をマッチングさせることを強化しなくてはなりません。そのためには、大学と就活を取り巻く環境をキャリアセンター以外の大学職員自身がしっかり理解しておくことが重要ではないかと思います。具体的には、現役のキャリアセンター職員が執筆した「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」は参考になると思います。

また、大学職員ならではの視点で就職活動の対策本を執筆された方もいます。*5このように大学での教育研究よりも学生の就職支援を強調すると、「大学の就職予備校化」ということで反論を受けそうですが、現実問題として就職活動の負担によって命を落とす人が出ている以上、就職活動が学生に与える影響が極めて大きいことを大学職員として見過ごす訳にはいきません。大学の場合は部門ごとに担当する業務がかなり異なるので、どうしてもセクショナリズムに陥りそうになりますが、学生が直面している問題について正しい知識をもって理解しようとする心がけは必要なのではないでしょうか。

*1:学校基本調査-平成22年度(確定値) 結果の概要 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/1300352.htm

*2:学校基本調査-平成23年度(確定値)-結果の概要- http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/1315581.htm

*3:平成22年度自殺対策白書に見る大学生の自殺対策 http://d.hatena.ne.jp/high190/20101026

*4:富山大学が全国でも珍しい「自殺防止対策室」を設置。 http://d.hatena.ne.jp/high190/20110125

*5:大学職員独自の視点で学生への就職活動をサポートしよう http://d.hatena.ne.jp/high190/20111219