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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

昭和女子大学が米国留学必須のビジネス系学部の設置を計画

high190です。
東京大学の秋入学移行、留学を必須とした秋田の国際教養大学を始めとした学部が人気を集めるなど、グローバル人材の育成については現在の大学を取り巻くホットトピックであると言えます。*1
その中で女子大学としては珍しい、全学生に留学を課すビジネス系学部を設置する動きがあるようです。


昭和女子大学は国際的なビジネスの舞台で活躍できる人材を育てる「グローバルビジネス学部」を2013年度に創設する方針を決めた。同学部の全学生(1学年100人予定)を5カ月間、米国に留学させるなどして国際感覚や語学力を養う。女子大がビジネスに特化した学部を設けるのは全国でも珍しい。
少子高齢化や景気低迷が続くなか、昭和女子大は起業に挑戦する学生や、結婚後も働き続ける卒業生が増えるとみて、ビジネスに関する専門知識や実務能力を備えた人材を育成する。将来的には経営学修士号(MBA)などの取得も指導する計画だ。
東京・世田谷のキャンパスにある人間社会学部現代教養学科の一部カリキュラムを分離して設立し、ビジネスデザイン学科の1学科を置く方針。月内にも文部科学省に学部設立を届け出る。同省が受理すれば、13年4月入学の学生を100人募集する予定。
入学当初から実際のビジネスに必要な能力を育成する。1年生には顧客、組織、経営資源など5つの分野の必修授業を実施。英会話やコンピューターによる情報処理力の指導にも力を入れる。2年生の春から全員が5カ月間、米ボストンに留学。同大学が現地に持つサテライトキャンパスで、企業経営についての専門的な授業を英語で学ぶ。一部の学生には米国での留学を延長したり、帰国後に企業と連携して実際の経営課題の解決法を探るカリキュラムを用意したりする。
同大学は1920年に設立。人間社会学部と人間文化学部、生活科学部の3学部計12学科があり、学生数は約5000人。短期大学や大学院もある。
09年の厚生労働省の調査によると、全国の企業の管理職のうち、女性の割合は8%にとどまっている。同大学は将来、企業の管理職に就くことのできる学生を育てることで、女性の社会進出がさらに進むとみている。

ビジネス系学部で海外留学を必須にする取り組みは、あまり例がないように思います。今後はより語学力へのニーズが高まっていくことでしょうから、同様の取り組みを行う大学も今後出てくるかも知れません。記事中にもありますが、米国留学にあたっては昭和女子大学が現地に設置するサテライトキャンパスを活用するそうですね。*2これまでも他学部や系列校での活用実績があるため、導入はスムーズに行われるでしょう。

将来的にはMBA取得のための指導も行うとありますが、ボストンのサテライトキャンパスでは市内の大学と協定を結んでおり、その中には世界でも珍しい「女性のための経営学修士課程」を設置しているSimmons Collegeがあります。*3まだ詳細な情報がないため留学中の教育をどのように行うのかが分かりませんが、ユニークな女子教育を行っている大学とのコラボレーションによって女子大学ならではのキャリア形成教育に繋げられるでしょうし、女性の社会進出が日本よりも進んでいるアメリカの実態を知ることは学生の教育にとっても有益ではないかと思います。女性が生涯働いていける社会を作っていくことは、今後の日本社会にとっての大きな課題でもあるため、女子大学のミッションに沿ってどのようなビジネス教育を行っていくのか、今後の動向に注目していきたいと思います。
4月に学部設置の届出を行った場合、受理されるのは6月頃でしょうから、学生募集開始後にカリキュラム情報が公開されるのを楽しみにしていたいと思います。

*1:東京大学が秋学期入学(ギャップ・イヤー)の導入に向けた検討を開始−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110701

*2:「2013年度グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科設置構想および短期大学部の募集停止について」(昭和女子大学http://swu.ac.jp/files/2013-kousou-info.pdf

*3:SIMMONS School of Management http://www.simmons.edu/som/about/index.php