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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学秋入学を高大接続の観点から考えてみる。

Diary Adaptive University

high190です。
東京大学が検討を始めた秋入学については様々な議論が行われているところですが、中等教育との接続という観点も忘れずに考えておきたいことです。少し前のニュースですが、大学秋入学の必要性と同時に初等・中等教育も秋入学へ移行する必要があるという世論調査が行われています。


産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した合同世論調査では、東京大学などが検討している秋入学への移行について、半数の49.8%が「必要」と回答、世論も「世界標準」の秋入学への移行をおおむね歓迎する結果となった。小中高校への秋入学移行を望む意見も半数近くに達し、すっきりとわかりやすい入学制度を望む様子がうかがえた。
私立を含めた大学側では、秋への移行を検討し始める動きが加速しているが、秋入学は「必要ない」との回答は35.0%にとどまった。早稲田大のように春入学を残し、2本立ての入学制度を採る方針の大学もある。しかし、調査では、春秋併存に対する賛否が拮抗。併存の「必要なし」は4割を超え、入学時期の一本化を望む声も強いことがうかがえた。
一方、小中高の入学時期について、現行制度だと入学時期にズレが生じ、「ギャップターム」の過ごし方などが課題になると指摘されているが、制度のわかりやすさや一貫性を求める意見を反映してか、小中高も秋入学に移行すべきだとの意見が半数近く(49.3%)に達した。

高大接続を同時並行で考えることは、秋入学の実効性を高める上で避けて通れない事だと思います。このことを踏まえてか、中央教育審議会の初等中等教育分科会には高等学校教育部会が平成23年の11月から設置され、高等学校教育について議論を行っていますが、第3回の会議で「早修制度」のことが触れられています。早修制度とは大学への飛び入学を可能にする制度のことを言います。この資料の中に、飛び入学を制度化している大学の入学者数が書かれているのですが、導入しているのは千葉大学名城大学昭和女子大学成城大学エリザベト音楽大学会津大学の6校、制度化されてから14年経っているのですが、該当者は97名と非常に少ないことが分かります。

秋入学によって海外から優秀な学生を集めることはもちろんですが、国内でも早期に大学に入学できる道の拡大も可能になるということです。個人的には初等・中等教育が秋入学に移行すべきか否かについては、慎重を期すべきだろうと思いますが、進学時期が一律になるのではなく、学業成績が優秀で早期に大学に進むことができる道を拓いておいた方が個々の児童・生徒の個性を伸ばすことに繋げられるのではないかと思うのです。
ちなみに私自身は、高校時代に留年を経験して合計で5年通いました。いわゆる浪人ではなく、2年遅れで大学に進学したのですが、特に不都合などを感じたこともないですし、逆に少し遅れたからこそ分かったことも色々ありました。ここ最近の秋入学に関する議論は、国際化への対応・グローバル人材の養成がほとんどであるため、初等・中等教育との接続強化という点でも考えていくべきではないかと思います。