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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

授業料免除の申請漏れは学生のせい?学生支援担当職員には広報的センスも必要

Diary

high190です。
学生支援を考える際、サービスか教育的指導かということがよく議論されます。確かに学生支援には両方の要素があると思いますが、私はサービスを重視すべきと考えています。例えば、学生に関わる制度変更があった場合には大学側が分かりやすい情報発信方法を検討することが必要で、ある意味では学生支援担当職員にはコピーライティング的な資質が求められるとも思います。
国立大学法人筑波大学では、経済的理由による授業料の減免の申請方法を変更したところ、制度変更が周知されておらず申請漏れが相次ぐという事態になっているそうです。


筑波大学つくば市)が授業料免除の申請方法を変更したのがきっかけで、条件を満たすにもかかわらず申請漏れとなり、免除が認められなくなるケースが相次いでいることが10日、分かった。大学側は「救済は難しい」としているが、学生からは「告知が不十分」と疑問の声が上がっている。
同大は、経済的理由により授業料の納付が困難で学業優秀と認められる学生に対し、年2回(1期・2期)の授業料免除制度を実施。昨年度は、年度初めに1・2期分を一括で申請できたが、今年度は秋に新たに2期分の書類提出が必要となった。同大学生支援室によると、この申請方法の変更を知らずに2期目の申請を逃した学生が5人程度相談に来ているという。
同大学生生活課によると、申請方法を変更したのは、年度途中で親の収入状況が好転するなど条件が変わった場合に必要としている届け出を怠る学生が続出したため。今年度は1期に2327人、2期に2249人が申請。各期約2130人の申請が認められ、うち約300人が全額免除となったという。
毎日新聞の取材に応じた院生の女性は、母子家庭で経済状況が恵まれず、成績も基準を満たしているとして08年から授業料免除制度を利用しており、今年度の1期も全額免除となっていた。しかし、申請方法の変更に気付かず2期分を新たに申請しなかったため、授業料約27万円の免除が認められず、督促を受けているという。女性は「変更点は書類の中にひっそりと書かれていた。見逃した私に過失もあるが、窓口で注意喚起を受けていないし、不親切ではないか」と話す。
同大の担当者は「制度の変更を知らず、2期分の申請を知らない人が多くいる可能性もあるが、線引きが難しく、救済を認めるのは難しい」としている。

筑波大学のWebサイトに「入学料免除・授業料の免除」というコンテンツがありますので、そちらも参照してみましょう。


申請要件:次のいずれかに該当する場合申請できます。

    1. 経済的理由によって納付が困難であり,かつ,学業優秀と認められる場合
    2. 授業料の納付の時期6か月以内(新入学生の第1期においては入学前1年以内)において,学資負担者が死亡又は本人若しくは学資負担者が風水害等の災害を受け,授業料の納付が著しく困難であると認められる場合
    3. その他学長が相当と認める事由のあるものとして,法人規程で定めるものに該当する場合

申請手続:申請時期等については掲示にて周知します。授業料の免除等を希望する者は,対応支援室学生支援・教務担当の窓口で申請書を受領し,必要書類を添えて申請してください。
※詳細については,対応支援室学生支援・教務又は学生部学生生活課(経済支援)へ問い合わせてください。

制度変更をめぐって大学と学生の間にちょっとしたいざこざが起こるということは、どこの大学でもあることなのかも知れませんが、こうした問題を解決するためには学生支援職員がどれだけ学生に対して情報を提供できるか?というところにあると思います。特に経済的理由による授業料減免の申請であれば、適用対象の学生の情報はある程度大学でも把握しているはずで、申請漏れを防ぐための手は打てたのではないかと思うのですが。
例えば、学内告知だけではなく、TwitterFacebookといったソーシャルメディアでも告知するなどのやり方もあるはずです。制度を変更するのは様々な事情があるにせよ、「大学の都合」であるので、受益者である学生へのサポートをするために様々な方法でアプローチすることが必要だと思います。情報がうまく行き渡らないことは、学生と大学双方にとっても不利益にしかなりません。そうした状況を作り出さないためにも、学生支援担当職員は広報的な視点を持って業務にあたる必要があると思います。