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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

龍谷大学と大津市議会が人材育成のパートナーシップ協定を締結

high190です。
龍谷大学滋賀県大津市議会と人材育成のパートナーシップ協定を締結したそうです。龍谷大学滋賀県に瀬田キャンパスを持っており、平成23年度から政策学部と大学院政策学研究科を設置していることもあって、地方行政の担い手である市議会との連携を強化し、市議会議員を大学院生として受け入れるというユニークな施策も計画しているようです。


大津市議会と龍谷大は28日、政策研究や学生教育で互いに協力するパートナーシップ協定を結んだ。市議会と大学間の協定は県内では初めて。大学が研究する知識を議員への研修や提言に生かし、市議会で大学院生にインターンシップ(就業体験)の場を提供するなどで、相互の連携をはかる。
市議会では今年1月、議員提案の条例を考える「政策検討会議」を設け、その中で専門家の意見の必要性を協議してきた。龍谷大は今年4月から京都市の深草キャンパスに政策学部を設立。大津市内での地域活動にも積極的であることから、市議会が働きかけ、協定の締結に至った。
今後は、政策検討会議に顧問として大学の研究者の招聘(しょうへい)や、大学院への議員の推薦入学なども検討する。
市役所で開かれた調印式では、北村正二市議長が「龍谷大は市内にもキャンパスがあり、先進的な取り組みをしている。互いに高め合う関係を築きたい」とあいさつ。龍谷大の赤松徹真学長は「市議会の改革にかかわることで、これまで以上に地域に貢献していきたい」と述べ、互いに握手を交わした。
市議会と大学の協定は全国では、龍谷大と茨木市議会(大阪府)、福島大と会津若松市議会(福島県)、埼玉大とさいたま市議会などの例がある。 

大学院生がインターンシップの場として、市議会に出向くことができるのは政策学の実践的研究に大いに役立つことだと思います。また、現役の市議会議員を大学院生として受け入れる推薦入学等も検討しているようで、これは地方行政に大学院が積極的に関わるユニークな取り組みだと思います。

現在、大学院教育の実質化について中教審で色々な議論がなされているようですが、大学院教育を実践的なフィールドで行うことは社会貢献的な役割を担うだけではなく、現場から得られる実践知を吸収できることからも大きなメリットがあるように思います。学部レベルでの就業体験については、平成23年4月1日施行の大学設置基準の改正*1に伴い、「大学は,当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ,学生が卒業後自らの資質を向上させ,社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を,教育課程の実施及び厚生補導を通じて培うことができるよう,大学内の組織間の有機的な連携を図り,適切な体制を整えるものとすること。」と規定されていますが、大学院教育においても重要な示唆を含んでいると思います。
龍谷大学の政策学研究科では、地域政策研究コース、NPO・地方行政研究コース、地域公共人材サブコースを設けており、大津市議会との協定も、地域行政について実践的な教育を行う体制を整える一環として行われたものと解釈できます。現役の市議会議員が学問的に地方行政を学ぶことは、現実の政策立案にも大きく寄与することが期待できるため、是非とも実践的教育研究の成果を出していただきたいと思います。

*1:大学設置基準及び短期大学設置基準の改正について(諮問) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1289824.htm