Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

佐賀大学が学内美術館を開設へ。国立大学法人では2例目の取り組み

high190です。
佐賀大学が、来年度の10月に学内美術館を開設する予定であるとの報道がありました。
国立大学法人で学内に美術館を設置するのは、東京学芸大学に続いて2例目だそうです。


佐賀大学は美術工芸分野の卒業生や教員、学生の作品を展示する美術館を2013年10月、学内に開設する。大学の美術・工芸課程は多くの画家や造形作家を輩出、全国から学生が集まるほど実績と知名度があり、大学の特色として前面に打ち出す。
同課程は「特美」と呼ばれる高校美術教員の養成課程を前身とし、最近も教員や学生の全国公募展入賞が相次ぎ、入学志願者も多い。03年10月の旧佐賀大と旧佐賀医大の統合から10年周年の記念事業として美術館建設を決めた。全国の国立大学法人で美術館を設けているのは東京芸術大だけという。
施設の規模は2階建てで、面積1200〜1500平方メートルを想定。場所は大学本庄キャンパス北側に新しく整備する正門付近を軸に検討する。学内で保管している卒業生の美術工芸品や寄贈品などを集めて常設展示するほか、旧制佐賀高等学校など大学で保管する歴史資料も紹介する。
来年11月に着工、13年10月開館を目指す。事業費は建設費6億円、施設の維持管理費3億円の計9億円を見込み、このうち6億円は学内や同窓会、企業、団体などから寄付を募る。
26日の定例会見で構想を説明した佛淵孝夫学長は「地域に根ざし、気軽に鑑賞できるような美術館にしたい。大学が誇る美術工芸の歴史や実力を知ってほしい」と話した。

正門付近に建設を予定しているあたり、大学の新しい顔としての側面も持たせたいのかも知れません。
具体的な整備検討にあたって、委員会を設置して対応しているようです。

大学は学問を担うだけではなく、文化的な遺産の管理などを請け負う側面も有していると思います。大学が有する資産を社会的に公開する取り組みのひとつとして、美術館の建設というのは意義深いものだと思います。