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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大阪大学理学部が超難問入試の「挑戦枠」を今年度入試から導入

Diary Unique

high190です。
大阪大学理学部が、今年度入試より通常の試験科目よりも難易度の高い「挑戦枠」を導入すると発表しました。
与えられた知識の吸収だけではなく、自分なりに粘り強く考える力を持つ学生を取るためことが狙いのようです。


大阪大は7日、2013年度入試の2次試験(前期日程)で、通常の試験科目に加えて難易度の高い数学・理科の試験を課する「挑戦枠」を理学部に設けると発表した。
与えられた知識の吸収だけで満足せず、自分なりに粘り強く考えて学問に取り組める理数系学生の獲得が狙いという。
挑戦枠は、理学部の定員255人のうち、3学科と1コースで計37人以内。1日目は一般枠と同様に数学や理科、外国語を受験し、2日目に数学科志望者は専門数学、物理学科は専門理科の物理、化学科は専門理科の化学、生物科学科生命理学コースは物理か化学のどちらかに取り組む。
「チャレンジ精神」に応えるため、挑戦枠で合格しなかった場合は救済措置として、一般枠の科目の得点で改めて合否判定される。

大阪大学のWebサイトに入試の詳細が記載されています。

受験生のチャレンジ精神を引き出すための取り組みだそうですが、これは大学が行う教育に対する受験生へのメッセージでもあります。チャレンジ精神のある人こそ、うちの大学へ!と訴える訳ですから。
こうした入試を実施するにあたって、どのようなアドミッションポリシーを定めているのかがポイントになり、その背景にはカリキュラム、ディプロマの両ポリシーが有機的に連携している必要があるのです。
特徴ある入試が少ないからこそ注目を集めますが、本来的にはどういった人材を求めていて、そのためにこうした入試を実施するという説明ができる制度設計を各大学が考えなければいけないことのように思えます。

科学の発展の歴史を見るとき、その進歩の多くは、科学的成果がもたらす利益を顧慮することなしに、純粋に科学の美しさに惹かれ、科学的発見を夢見た人達の努力によって達成されたことがわかります。そして多くの偉大な発見も非常に素朴な疑問に端を発していることがしばしばです。しかし、このような疑問を研究成果に結実させるためには、基礎をしっかり習得し、万人を納得させる科学的な方法を身に付けなければなりません。理学部では、多様な教育的背景をもった出身者の中から、基礎学力を身に付 けた人を受け入れ、次のような人材の育成を目的としています。

  • 幅広い自然科学の基本に裏付けられた柔軟な発想のできる人
  • 自然に対する鋭い直感と的確な判断力を備えた人
  • 科学の素養を背景にして社会への貢献を目指す人

特に、一見自明に見える事項に対しても、「なぜ?」という疑問を抱いてその根源を探ろうとする意欲に燃える人達を歓迎します。

各大学のミッションと学生募集が深く結びつくことで、受験生にその大学が求めているのはどういう人物なのか伝わることになりますし、教育の効果も高くなるのではないかと思います。
大阪大学理学部の入試改革がどういった成果を生み出せるのか、気になるところですね。