Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

日本経団連が来年度からグローバル30採択大学向けに海外留学奨学金を創設

high190です。
日本経団連は来年度から、将来的に日本企業で国際事業に携わる意欲を持った人材育成の一環として「グローバル人材スカラーシップ」という奨学金制度を導入するそうです。
対象となる大学は、文部科学省が主管する国際化拠点整備事業(グローバル30)の採択大学のようです。


経団連は13日、2012年度から「グローバル人材スカラーシップ」を創設すると発表した。将来、日本企業で国際事業に携わる意欲を持つ大学生に奨学金を支給し、帰国後の就職支援も行う。経団連傘下の国際文化教育交流財団を母体に経団連会員企業が資金協力し、交換留学制度のある政府指定の13大学から候補者を選んで選考する。初年度の奨学生は30人で、1人100万円を支給する計画。将来は各企業の連携でより多くの学生を海外に派遣したいとしている。
近年、若年層に内向き志向が広がり、就職活動の早期化・長期化もあって海外留学を避ける学生が増えている。経団連奨学金制度を創設するのは、このままでは世界で通用する人材が払底し、日本が国際競争に勝ち残れなくなるとの危機感があるからだ。
奨学金創設と合わせ、経団連は大学と連携し、企業トップや実務者を大学に派遣してビジネスの実態を講義する「出前授業」や、企業内でのインターンシップを単位に認定する新カリキュラムを試験的に導入。政府には外国人留学生の受け入れ拡大を求めていく方針だ。

グローバル30の採択大学一覧は文部科学省のWebサイトに掲載されています。再掲になりますが念のためリストを掲載します。

【国立大学】

【私立大学】

記事中にもあるとおり、学生の内向き指向が広がっていると言われていますが、問題は就職活動の早期化・長期化にあります。
以前にも、現代の学生が本当に内向き指向なのか疑問に感じた記事を書かせていただきましたが、私には現代の学生たちが内向きであるとは思えません。

大学生の本分は学ぶことだと思いますが、広く様々な経験を積む機会を豊富に用意することも必要です。ですから、私は学生時代の一人暮らしや海外留学に賛成の立場です。
学生の皆さんには、単純に就職の準備を大学で行うのではなく、人間としての経験値を高められるような気付きの機会を多く得られるような大学生活を送ってほしいと思います。