Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

厚生労働省の若者向け就職支援策、5,000人の応募枠に対して参加者20名に留まる

high190です。
厚生労働省が実施した中小企業でのインターンシップを通じた就職支援策で、5,000人の応募枠に対して実際の参加者は20名に留まっていたことが判明したそうです。
中小企業での就業体験を経験し、より広く進路先を選んでもらう方向性は正しいと思いますが、何が問題だったのでしょうか。


厚生労働省が実施する若者向けの就職支援策が惨たんたる状況になっている。内定を得られない学生や就職できない既卒者を対象に、中小企業でインターンシップ(企業実習)に参加してもらい、就職に結びつけてもらう事業で、昨年9月から5000人の枠で募集を始めたが、応募したのは全国でわずか20人。支援策の存在すらほとんど知られず、3月末で終了する。企業側からは「中途半端な対策だ」と批判の声が上がっている。
新卒者の内定率が悪化する中、政府の雇用対策の一環として新設した「新卒者企業実習推進事業(新卒インターンシップ事業)」。対象は大学や大学院、短大などの卒業年次の学生と卒業後3年以内の既卒者。2週間を基本に3日から最長1カ月間、中小企業で職場体験をする。大企業に目を向けがちな大学生を中小企業に誘導する狙いもある。
5000人の参加を見込んだ厚労省は1億8000万円の予算を確保し、全国のハローワークを通じて募集した。ところが、応じたのは既卒者1人と現役学生19人だけ。受け入れ先として登録した企業も17都道県の34社にとどまる。

就業支援として中小企業と学生のマッチングを図ることは、どうしても大企業や知名度の高い企業を志望する学生に対する支援策として非常に有意義なものだと思います。名前は知られていないけれど経営実績が優秀であったり、高い技術力を有する企業はあるものですから。しかしながら、募集定員から考えると参加率は0.4%とほぼ参加者がいないような状況に陥ってしまった訳ですね。
ちなみに厚生労働省でも報道発表を出しています。

個人的には、もっと文部科学省との連携を強化してもよかったのではないかと思います。特に内定が決まっていない学生は、大学側でもキャリアセンターなどで情報を把握している訳ですから、文部科学省を通じて大学への周知を徹底した方が効果が上がったかも知れません。