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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

日本経団連がインターンシップの在り方について方針を策定。就業体験と採用活動を区別

Diary

high190です。
いまや一般的になった企業でのインターンシップですが、日本経団連は就職活動の早期化・長期化の問題を受けて、平成25年度入社の採用に係る広報活動は大学3年の12月からという方針を定めました。
このことに伴い、企業の採用に関する就業体験についても実施時期が変更する必要が生じます。各大学でも対応が必要になるでしょう。


日本経団連は7日、新卒学生の採用活動との違いが必ずしも明確でなかった「インターンシップ(就業体験)」のあり方について指針をまとめた。原則として採用に直結しないものと位置づけ、採用につながる場合は選考活動と同様に大学4年(大学院は修士2年)の4月以降に実施する。経団連が今月中に公表する企業の採用活動の指針となる「倫理憲章」に盛り込み、会員企業などに順守を求める。
就業体験は現在、大学3年の夏場に実施されるケースが一般的で、採用活動との違いを明確にしない企業も多い。このため、「多くの学生の感覚では、6月の時点で就職活動がスタートしている」(労働政策本部)といい、就活の早期・長期化を進める一因となっている。
経団連は、就業体験を「学生が職業観を身につけるためのもの」と定義。実施時期の制限は設けないが、原則、選考活動とは分離し、採用に直結しないよう明示すべきだと判断した。また、1日程度で済ませず、5日以上職場に学生を受け入れるべきだとしている。
一方、1日程度の短期型の就業体験については広報活動の一環とみなし、大学3年の12月以降に始めるよう求める。ただし、選考活動の一環として実施する場合は、大学4年の4月以降に実施するようにする。経団連は13年春入社予定の学生から、面接などの選考活動の開始時期を大学4年の4月以降としており、この方針に合わせる形とする。

インターンシップについては、1月12日に公表された「新卒者の採用選考活動の在り方について」でも指摘されています。


わが国で行われるべきインターンシップは、本来、学生の職業観涵養を目的とした就業体験の機会の提供であり、採用選考活動とは全く関係ないものである。しかし最近では、インターンシップと称してはいるものの、実質的に広報活動としての企業セミナーと大差ないものが行われている実態があるほか、学生側としても「参加すると選考上有利になる」、「参加しないと差をつけられる」といった考え方が強まる傾向にあり、こうした現状を踏まえると、早期化是正の対応にあたっては、インターンシップの取り扱いについても併せて検討し、対応を図る必要がある。
そこで、【12月1日】より前に実施するインターンシップは、採用選考活動とは一切関係のない活動であるとして整理する方向で引き続き検討し、なるべく早期に結論を得ていく。

学生の職業観涵養を目的とした本来的な意味の就業体験であれば、学部3年生・修士1年生に限る必要はありません。
ただし、各大学では教育課程にインターンシップを組み込み、夏季休暇等を実習期間として活用していたことも事実ですので、基本的な制度設計の見直しが必要になると思います。

また、平成23年4月1日から施行される大学設置基準の改正では、「社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うための体制」を大学として整備することが求められるようになります。


大学は、当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を、教育課程の実施及び厚生補導を通じて培うことができるよう、大学内の組織間の有機的な連携を図り、適切な体制を整えるものとする。

「組織間の有機的な連携を図り、適切な体制を整える」ためにも、教務、学生、キャリア支援などの意見を集約して教育課程に反映させていくことが大切です。当然のことながら、カリキュラム・ポリシーとディプロマ・ポリシーも絡んでくることですので、産業界の要請や動向を踏まえて学内の意見を統一することが大事になってきます。就職活動の早期化・長期化の打開に向けて大学側も努力していかなくてはなりません。