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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

弘前大学の入試広報、漫画誌に広告を掲載して脚光を浴びる

high190です。
国立大学法人弘前大学が受験生の注目を集めることを目的に漫画誌に広告を掲載したところ、過去8年間で最高の入学志願率になったそうです。
大学広報の成功例として、今後紹介されそうですね。


弘前大(青森県弘前市)が、受験生の注目度を高めようと、少年漫画誌に異例の広告を連続して掲載した。関係者の話題を集めた上に、志願倍率の向上にも一役買ったとみられ、高いPR効果を挙げている。
弘前大は大学名に県名がなく「国立大と知られていないことすらある」(総務課)のが悩み。インパクトのある宣伝として、数年前から漫画誌への広告を検討してきた。
「大学としてふさわしくない」という学内からの批判も懸念されたが、上層部は「『新しいことに挑戦する精神』を印象付ける」とゴーサイン。
受験シーズンを前にした昨年12月から今年1月にかけ5回にわたり「週刊少年マガジン」(講談社)の裏表紙などにカラーの1ページ広告を掲載。高校を舞台にした連載中の人気漫画の主人公が登場し、弘前大の教授や研究内容を「特別授業」で紹介、「弘前だから学べる!」などのキャッチコピーを前面に打ち出した。

これに先立つ昨年3月には、少年・少女漫画誌6誌にも広告を掲載。ユニークな内容が広告業界から高い評価を受けた。
長引く不況による全国的な地元回帰志向に加え、広告も功を奏したのか、この春の一般入試の志願者は過去8年間で最高の倍率に。雑誌の読者層は大人にも広がるため「企業人の目に留まり、産学連携の橋渡しになれば」と期待も膨らむ。

この企画を考えた担当者もすごいですが、ゴーサインを出した上層部の判断も素晴らしいですね。
まず何よりも大学の名前を知ってもらうことが重要ですし、認知度を上げる広報として受験生に届く媒体を選んだことが成功の理由だと思います。最近は大学広報にも色々と趣向を凝らしたものが出てきていると思いますが、漫画という媒体を選ぶのは勇気のいることです。どうしても就職情報誌など昔からあるメディアを利用することを前提に考えがちですが、「どうすればうちの大学の特色を知ってもらえるか?」ということをよく考えた結果、漫画を掲載メディアに選べたのだと思います。

こういった新しい試みは注目度も高いですし、今後同様の取り組みを検討する大学が増える可能性があります。
ただ、個人的に気になるのは安易な追随をする大学が出てしまって、大学が漫画誌に広告を出す意味が薄れてしまわないかということです。弘前大学の場合、教授や研究内容を紹介するなどの工夫を凝らしていますが、単純に大学を紹介するだけではあまり意味が無いように感じます。学びたい内容を分かりやすく伝えることに漫画が適しているのであって、ただ漫画誌に広告を出せば志願者が増える訳ではないでしょう。

要は自学の強みを分析し、それをいかに分かりやすく的確に伝えられるかが広告にとって勝負なので、よく内容を検討してからでないと誤ったイメージ・メッセージが伝わることになりかねません。
弘前大学の成功事例から何を学べるか、ということも大学の広報力ではないでしょうか。