Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

沖縄科学技術大学院大学の専任教員に定員の約37倍もの応募が

high190です。
平成24年度の開設を目指している沖縄科学技術大学院大学ですが、公募による15人の専任教員枠に対して548人から応募があったそうです。


沖縄科学技術大学院大学の設立準備を進める独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)の第12回運営委員会が10日、恩納村のシーサイドハウスで開かれた。
15人程度を募集していた教員枠に、国内外から548人の研究者の応募があったことなどが報告された。
同委員会の有馬朗人共同議長は会見で、「東京大学理化学研究所で募集してもこれだけは集まらず、日本の研究機関として革命的。素晴らしい大学ができつつある」などと歓迎した。
初代学長予定者のジョナサン・ドーファン氏によると、応募した研究者らは「非常にハイレベル」。面接では、最先端の設備を備えていることや自然に囲まれたロケーションなどを評価していたという。
会合では2012年秋の開学に向け、研究者の子弟らの教育機関として県が整備を進めているインターナショナルスクール「沖縄アミークス」の早期完成を求める声も上がったという。
一方、9日に非公開で開かれた沖縄科学技術大学院大学設立委員会は、今秋をめどとしている学校法人への移行を念頭に、予算を弾力的に運用できるよう国に求める声明を発表した。
OISTは大学院大学設立に向け、3月に国へ認可申請し、今秋をめどに学校法人への移行を目指す。

運営委員会の内容については、沖縄科学技術研究基盤整備機構のWebサイトにも概略が掲載されています。


沖縄科学技術大学院大学初代学長予定者であるジョナサン・ドーファン博士からは、現在、大学院大学の設置認可に向けた最終段階にあり、着実な進捗が得られているとの報告がありました。同博士は、教員の採用活動について、これまで548名の研究者から応募があり(うち417名は外国の機関に所属)、その内の 45名がここ沖縄で面接を受けるなど、大きな前進があったことを強調し、大学開学時までに、必要とされる優秀な教授陣が確保されるとの考えを示しました。また、優秀な研究者の採用に尽力している機構職員に対して感謝の意が表されました。

当初から沖縄科学技術大学院大学は講義や学内会議も英語で行われる予定ですし、国内外から優秀な人材を登用しようとしてきた訳で、海外の研究者から相当数の応募があったことは一定の評価ができることだと思います。
また、海外の優秀な研究者を招聘するにあたって子弟の教育ニーズを満たせる初等・中等教育機関の設立が必要でしたが、沖縄県が中心となった「沖縄アミークス」という学校の開校を今年の4月に控えており、設立に向けたインフラはほぼ整いつつあります。

今後のスケジュールとして、大学院大学の設置に向けて認可申請を行って学校法人への移行がなされます。国際的な研究拠点として整備が進んでいる大学だけに開設が楽しみです。