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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学の評価ポイントは教育研究よりも進路・就職の面倒見にシフト

high190です。
博報堂が実施している「大学に対する生活者意識調査」の結果が公開され、生活者の視点から大学を評価する際のポイントとして、進路・就職の見通しが最も高い値を示すことが発表されました。


博報堂が21日発表した「大学に対する生活者意識調査」で、大学を評価するポイント(複数回答)を尋ねたところ、「進路/就職の面倒見がよい」が41.9%で最多となった。一方、最近の大学や大学生に対する印象では「就職活動への意識が強く、本来の勉強が不足している」との指摘が33%で2番目に多かった。企業の採用活動が停滞する中で、知識・教養の習得という大学本来の目的の達成と、内定獲得を両立させるという難しい課題を浮かび上がらせる結果となった。
調査は首都圏と関西圏の男女を対象とし9月に郵送で実施。18歳〜69歳の3977人から回答を得た。

詳細な結果報告が博報堂のWebサイトに掲載されています。

調査結果を読み解くと、就職の面倒見が良くて教育もしっかりしている大学を生活者は求めているということになります。
このことに対する私なりの考えを述べると「卒業の到達目標を厳格化して、学生にしっかり勉強させる」ことが必要だと感じます。就職の面倒見がいいことが評価ポイントになっていますが、就職して終わりということではなく、大学での学びがその後の仕事や人生において役立つものであるために大学は存在しているのではないでしょうか。単純に就職のみにフォーカスして、送り出してしまえばそれで終わりということでは本末転倒だと思います。
確かに大学側からすると留年者を多く出すことへの懸念はあるでしょう。標準修業年限は何なのか?という問題にぶつかりますし、留年した学生が望む仕事に就けるかどうかも大学側が保証することは難しいからです。ただ、大学側が学生に示すスタンスとして、しっかり学ぶことを前提にすることは改めて必要なのではないでしょうか。大学はレジャーランドではなく、学問を追求して直接社会の役に立つことと、社会に役立つ人材を育成するためにあるのです。

また、この調査結果の中で私の興味を引いたのがこの質問です。

「生活者が今後"開かれた大学"へ向けて望むこと」

この質問に対する回答で「小中高と連携して教育を活発化」「自治体・NPO・地域住民と連携した地域の活性化」「企業の育成支援」などを生活者が求めているそうです。
いずれも他の組織とどのように連携していくかということがポイントになっています。大学職員も内部の仕事に追われるだけではなく、外部に向けて積極的に発信していくことが求められてくるのではないでしょうか。